2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of high-throughput SARS-CoV-2 qPCR and amplicon sequencing to track COVID-19 pandemic
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23KF0036
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
原本 英司 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (00401141)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MALLA BIKASH 山梨大学, 大学院総合研究部, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2025-03-31
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Keywords | 健康関連微生物 / 下水疫学調査 / ハイスループットリアルタイムPCR |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,下水中の病原微生物を定期的にモニタリングすることで処理区域内における感染症の流行状況を把握する「下水疫学調査」をウィズコロナ時代に活用してくための基盤技術として,多種類の遺伝子の一斉検出が可能なハイスループットリアルタイムPCRシステムを用い,新型コロナウイルスのみならず,インフルエンザウイルスやRSウイルス等の呼吸器感染症,ノロウイルスやロタウイルス等のウイルス性胃腸炎感染症,サルモネラ菌やウエルシュ菌,薬剤耐性菌等の細菌性感染症を引き起こす病原微生物に対する検出法を開発することを目的としている。 本年度は,Biomark X9(Standard BioTools社)を用いたハイスループットリアルタイムPCRの検出条件の検討に取り組んだ。使用したリアルタイムPCR検出系として,ノロウイルスGII,サルモネラ菌(invA),カンピロバクター・コリ(ceuE),カンピロバクター・ジェジュニ(gyrA),ウエルシュ菌(cpe),腸管出血性大腸菌(stx1,stx2),大腸菌(sfmD),総細菌(16S rRNA),3種類の薬剤耐性遺伝子(blaCTX-M,blaNDM-1,sul1),クラス1インテグロン(int1)およびMS2ファージの14種類を選定し,100,000~1.0コピー/1.25μLまたは1,000,000~10コピー/1.25μLの範囲で調整した標準試料の10倍段階希釈を用いたランを実施した。その結果,決定係数0.978~0.998の高い定量性が得られ,増幅効率も90.5~117.7%と高い値であった。このことから,これらの14種類の検出系を用いたハイスループットリアルタイムPCRシステムを構築することができたと判断した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ウイルスに加え,病原細菌,薬剤耐性遺伝子およびプロセスコントロールを加えた14種類の遺伝子の一斉検出法の検出条件の最適化に成功しており,次年度の実下水への適用に向けて順調な成果を得ているため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,開発した14種類の遺伝子を同時検出するハイスループットリアルタイムPCRシステムを国内外の様々な地域で採取した下水試料に適用することにより,実試料に対する手法の有効性を評価する予定である。また,他の遺伝子の組み合わせも検討し,測定対象に応じて様々な組み合わせが可能な本手法の利点を支持するような結果を得るように研究を進める。
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Causes of Carryover |
キャンペーンを活用して試薬・消耗品類を効率的に購入したため,残金が生じた。この繰越分を活用し,次年度は当初計画よりも多くの下水試料に対してハイスループットリアルタイムPCRを適用して解析を行う計画である。
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