2023 Fiscal Year Research-status Report
Function of Bat-Ancient Bornavirus Fusion Gene in Miniopterid Bats
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23KF0065
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
堀江 真行 大阪公立大学, 大学院獣医学研究科, 教授 (20725981)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GARCIA BEA CLARISE 大阪公立大学, 大学院獣医学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2025-03-31
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Keywords | 内在性ウイルス様配列 / ボルナウイルス / コウモリ / 融合遺伝子 / 遺伝子新生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ユビナガコウモリゲノムに存在する、既知のコウモリ由来遺伝子であるZNF451と太古のボルナウイルスのP遺伝子に由来するmiEBLP-4の融合遺伝子(ZNF451/miEBLP-4融合遺伝子)の機能の解明を目的として行った。 今年度はまず、ユビナガコウモリ属の2種のコウモリ(Miniopterus schreibersiiとM. fuliginosus)由来の培養細胞を用い、ZNF451/miEBLP-4特異的なプライマーを用いたRT-PCRおよびサンガーシークエンスによって、データベース解析から得られた結果と一致して、ZNF451/miEBLP-4融合遺伝子がRNAとして発現していることを確認した。これらのことから、これらの細胞株が今後の研究ツールとして有用であると考えられた。さらに、ZNF451/miEBLP-4を細胞で発現させ、その局在を観察したところ、凝縮体のようなものが形成されることを確認した。 また、組換えmiEBLP-4タンパク質を大腸菌で発現・精製したものを抗原としてウサギに免疫し、抗miEBLP-4抗体を作成した。さらに、種々の解析により抗体の特異性を確認した。この抗体は今後の研究の遂行にとって重要なツールとなるであろう。さらに、ユビナガコウモリの各種臓器を共同研究者より入手し、今後のZNF451/miEBLP-4融合遺伝子のRNA発現定量やタンパク質検出の準備を整えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
種々の実験を行うための材料やツールの作製を含め、順調に計画通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
作製した抗体や得られた材料を用いて、各種細胞株や組織におけるZNF451/miEBLP-4のRNAやタンパク質の発現を定量する。また抗体を用いた免疫沈降と質量分析により、ZNF451/miEBLP-4タンパク質と相互作用する細胞因子の同定を行う。また、培養細胞においてZNF451/miEBLP-4遺伝子の過剰発現やノックダウン/ノックアウトを行い、細胞の変化の観察や、発現変動解析を行う。これらの結果を統合し、ZNF451/miEBLP-4融合遺伝子の機能を考察する。 上記に加え、ウイルスのP遺伝子としての元の機能である自然免疫の抑制や、リン酸化などにも着目した解析を行う。
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Causes of Carryover |
コウモリ臓器の入手が年度末になったため、次年度にRNA-seq解析などを行う。
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