2023 Fiscal Year Research-status Report
Screening of circulating Schistosoma japonicum antigen for development of SE antigen-based diagnosis
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23KF0131
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
河津 信一郎 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (60312295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MACALANDA ADRIAN MIKI 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2023-09-27 – 2025-03-31
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Keywords | 顧みられない熱帯病 / 人獣共通感染症 / 日本住血吸虫症 / バイオマーカー / POCT |
Outline of Annual Research Achievements |
私達は以前に、日本住血吸虫の排泄・分泌抗原(excretory secretory antigen)のひとつThioredoxin peroxidase-1(SjTPx-1)に対するウサギ抗血清(捕捉抗体)とマウスモノクローナル抗体(検出抗体)を作製して、これらの抗体を応用したサンドイッチ酵素抗体法(DAS ELISA)の系を構築している。今年度は、上述の抗体を応用して免疫クロマトグラフキット(POCT)試作品の作製を試みた。同キット試作品では、セロハン厚層塗抹法(Kato-Katz法)で陽性と診断された患者の血清に対して陽性反応を得ることができたが、感度が低く、現在改良を進めている。新規ES抗原の網羅的な探索については、当初計画していたLC/MS/MS質量分析法によるマウス感染実験由来サンプルの外注解析が国内では困難であることが判明したため、アプローチの方法を変更して、文献検索とデータベース検索による抗原候補分子の探索を行った。結果、DAS ELISAの抗原として報告されていたEnolaseを新規のPOCT標的抗原として選択した。現在この抗原を標的とするPOCTの開発に向けて、日本住血吸虫Enolase組換え体抗原(rSjEnolase)に対するウサギ抗血清(捕捉抗体)とマウスモノクローナル抗体(検出抗体)の作製を開始している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していたLC/MS/MS質量分析法による新規ES抗原の網羅的な探索から、実験の手法を文献検索とデータベース検索に変更する必要に迫られたが、結果、新規のPOCT標的抗原としてSjEnolaseを選抜することができた。また、SjEnolaseの組換え体抗原の作製にも成功し、抗血清の作製にも着手することができた。これらの理由から、現在までの進捗状況を「(2)おおむね順調に進展している」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
SjTPx-1を標的とするPOCTの開発研究については、蛍光標識抗体などの最新の技術を応用することで、試作品での検出感度の改良を進める予定でいる。一方、新規の標的抗原SjEnolaseについては、ウサギ抗血清(捕捉抗体)とマウスモノクローナル抗体(検出抗体)の作製を進め、先ずは、DAS ELISAの系を構築して、SjEnolaseの標的抗原としての有用性を検証した後に、POCT試作品の作製に着手する予定でいる。
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Causes of Carryover |
LC/MS/MS質量分析法による新規ES抗原の網羅的な探索から実験の手法を文献検索とデータベース検索に変更したため。新規の標的抗原として選抜したSjEnolaseをについてPOCT試作品の開発研究に使用する。
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