2023 Fiscal Year Research-status Report
Measurements and prediction of transport properties of low GWP refrigerants and their mixture
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23KF0155
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
宮良 明男 佐賀大学, 理工学部, 教授 (80219823)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ALAM MD. JAHANGIR 佐賀大学, 理工学部, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2023-09-27 – 2026-03-31
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Keywords | 粘度 / 熱伝導率 / 相関式 / 希薄気体 / 物理モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,地球温暖化影響の小さい新規低GWP冷媒の輸送性質である粘度および熱伝導率の測定とそれらの値を推算するモデル式の作成を目的としている. 2023年10月から研究をスタートし,過去の実験データの検証や文献調査を行った.その結果,気相域及び液相域の粘度測定の基盤となる希薄気体状態の粘度の物理モデルであるChapma-Enskogのモデル式やChungらのモデル式の見直しが必要になることが判明した.なお,希薄気体状態の粘度の値は,気相および液相の熱伝導率の推算を行う物理モデル式にも使われる. 物理モデル式を見直すためには希薄気体状態の粘度の測定値が必要であり,そのために新たな測定装置を設計し,製作を進めた.測定装置は,タンデム型細管法を原理とする装置であり,内径が0.1 mm で長さの異なる2本のガラス管を直列に設置して試験流体を流し,その前後の圧力差から粘度を算出する.タンデム細管法は佐賀大学で独自に開発した方法であり,長短2本の細径管内を層流状態で試験流体を流してそれぞれの差圧を測定し,細管出入口で発生する圧力損失をキャンセルする方法であり,層流域の圧力損失勾配を正確に算出することができる.なお,試験流体はシリンジポンプを用いて正確に一定流量で送られる. 冷媒の粘度および熱伝導率の推算は,これまでに広く利用されている拡張対応状態原理(ECSモデル)に加え,最近開発されて利用が広がっている残留エントロピースケーリング法(RESモデル)を開発する予定である.それらのモデルを開発するプログラムの作成もほぼ完了している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年10月に研究を開始した直後にこれまでの研究における課題を発見する事ができ,その課題を解決するための方針を確定して速やかに装置製作に着手した.測定方法の原理に基づいて粘度測定センサの仕様を確定して装置を設計し,必要な機器や計測器,センサなどの手配や入手も概ね完了している.
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Strategy for Future Research Activity |
実験装置を速やかに完成させるとともに,新たな測定データの処理プログラムを作成する.なお,測定データの処理プログラムは汎用性および拡張性を考慮し,近年広く利用されているプログラミング言語 Python を使って作成する. また,物理モデル式の修正を行うプログラムも Python を使ったプログラムを作成中であり,測定データが得られた際に速やかに修正が行えるように準備を進めている.
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Causes of Carryover |
希薄気体の粘度測定を行うタンデム型細管式粘度計の装置製作に必要な部品の納品に時間がかかり,年度内に入手できなかったため,残額を次年度に繰り越した.
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