2023 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of novel functions of presenilin in ApoE secretion and brain amyloid removal
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23KF0156
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
鄒 鶤 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (40450837)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ISLAM MD SADEQUL 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2023-09-27 – 2026-03-31
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Keywords | 家族性アルツハイマー病 / プレセニリン / タウタンパク / リン酸化 / 分泌 |
Outline of Annual Research Achievements |
家族性アルツハイマー病(AD)の原因遺伝子プレセニリン(PS)変異は、凝集性の高いAβ42の 生を上昇させ、神経保護作用をもつAβ40の産生を低下させることで、Aβ42/Aβ40比が上昇し、ADを発症させると考えられてきた。一方、ApoE4は、Aβ除去能がApoE3よりも低下しているために孤発性ADの発症を促進すると考えられてきた。この両者は独立したメカニズムでAD発症に関与すると理解されてきたが、今回我々は、この両者は密接に関連し、PSがapoE分泌に必須であり、PS遺伝子変異によりapoE分泌が低下するという画期的な発見をした。また、tauタンパクのリン酸化や分泌・伝播も、ADの病態に深く関わっており、本研究の目的は、PS欠損細胞、PS1 conditional knockout、PS2 knockoutマウスを用いて、ApoE分泌ならびにtau分泌、およびアミロイド沈着機序におけるPSの役割を明らかにすることである。 我々は、PS1/2(-/-)欠損線維芽細胞では、野生型線維芽細胞と比較して、タウのリン酸化と分泌が有意に増加していることを発見した。細胞質内のタウ陽性小胞も、PS1/2(-/-)線維芽細胞では有意に増加していた。また、PS1/2(-/-)線維芽細胞では活性化されたGSK-3βが増加し、GSK3β活性を阻害するとタウのリン酸化と分泌が減少した。この研究は、PSがAβとは独立したタウのリン酸化/分泌および病理を調節する新しい経路を発見し、PSがタウ凝集を伴う神経変性疾患の治療の潜在的な治療標的として機能することを示唆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
我々は、新たにPSがタウのリン酸化と分泌を制御していることを明らかにした。このことは、PSがAβとは独立したタウのリン酸化/分泌および病理を調節するという新しいメカニズムであり、PSがアルツハイマー病のみならずタウ凝集を伴う神経変性疾患の治療の潜在的な治療標的として機能することを示唆している。
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Strategy for Future Research Activity |
PS1 conditional knockout、PS2 knockoutマウスおよびPS1 conditional knockout/PS2 knockout マウスを用いて、apoE分泌およびリン酸化タウ分泌の変化を解析する。PS機能制御により、apoE分泌促進やリン酸化タウ分泌の抑制など新たなアルツハイマー病治療法を開発する。
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