2023 Fiscal Year Research-status Report
Multiscale topographic methods for landslide monitoring and prediction
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23KF0180
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
早川 裕弌 北海道大学, 地球環境科学研究院, 准教授 (70549443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NEWMAN DANIEL 北海道大学, 地球環境科学研究院, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2023-11-15 – 2026-03-31
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Keywords | 地形計測学 / ランドスライド / 無人航空機 / 多重スケール解析 / 防災・減災 |
Outline of Annual Research Achievements |
10月中旬に来日後、生活基盤のセットアップとともに、研究開始に向けた研究環境の準備を始めた。地形計測用の計算機で用いる空間情報解析ソフトウェアとデータストレージを導入し、必要な既存データ(地形情報、土地利用・土地被覆、植生区分、衛星画像、空中写真等)の収集を始めた。また、現地調査によるデータ収集に向けて、調査対象とする候補地(北海道厚真町、平取町)の視察も行い、具体的なデータ収集手法や項目を検討した。その上で、ランドスライドの発生条件にかかる要素について、既存データを軸に解析手法開発の方針を検討した。とくに、地形景観構造におけるランドスライドの最適スケールの空間分布は、形態学的特徴を示す新たな情報クラスを提供するため、地形区分(セグメンテーション)に有用であるという、申請者が博士研究で提示した仮説について、既存データを用いて検証し、活動的な地すべり移動体の動態に関するの試験的解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
来日してすぐに現地視察も行い、既存のデータ解析を精力的に進めている。すでに一定の成果が出つつあり、論文投稿や学会発表の準備をしている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度には、選定した調査対象地において、UASやLIDARを用いた現地データ(地形情報だけでなく、地表環境を示すマルチスペクトルセンサ、熱赤外センサ等によるその他の指標データ)を取得する。これにより、局地的な現象であるランドスライドについての高精細な情報を得ることができ、ランドスライドの特性をモデル化するために最適なマルチスケール特性評価を検討する。とくに、空間的に不均質なマルチスケールの地形情報・地表環境情報が、ランドスライド危険度の評価にどのように貢献するかを精査し、地形因子や環境要素との組み合わせによるモデリングの改善を行う。また、研究成果について随時、国内・国外の学会における発表を行い(直近で日本地球惑星科学連合における学会発表を予定)、地形計測学研究者コミュニティからのフィードバックを得る。
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Causes of Carryover |
導入予定であった大型の計算機(ワークステーション)について、来日してすぐに解析を開始するために環境の整っていた既存の機器をまず使用することから始めたため、現時点で導入していないことが、繰越の大きな要因となっている。今後、解析機の更新や整備に使用する予定である。
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