2023 Fiscal Year Research-status Report
次世代3Dディスプレイのための超高速ポリゴンホログラム計算
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23KF0189
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
下馬場 朋禄 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (20360563)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WANG FAN 千葉大学, 大学院工学研究院, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2023-11-15 – 2026-03-31
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Keywords | ホログラフィ / ホログラフィックディスプレイ / アルゴリズム / 3次元ディスプレイ / 深層学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ポリゴンホログラムの高速計算手法、運動視差生成手法、および、深層学習を使用したポリゴンホログラムの開発を行う。高速計算には分担者がこれまでに開発してきたアルゴリズムの洗練とともに、C++やCUDAを用いた高速なプログラミング言語を用いた実装を行う。分担者が開発してきたポリゴンホログラムの計算に運動視差を与えることは難しかったが、本研究ではこの成約の打破に挑む。深層学習はホログラムの研究分野でもホットな話題であるが、ポリゴンホログラムと深層学習の組み合わせはまだ行われていない。本研究ではこの検討を行う。また、より高精細なホログラム再生像を得るために、光学系の新規開発を行う。これらの要素技術を組み合わせ、運動視差を持つカラーホログラム再生像を実時間で得られるフレームワークを開発する。 ポリゴンホログラムは3次元物体を構成するポリゴンからの光波の計算を繰り返し行う必要があるため計算量が多い。本年度はこの問題に対処するために、点群法で使われる波面記録法とポリゴン法を組み合わせた手法を開発し、計算効率が向上できることを示した。この手法をOptics Letters誌に報告した。また、ポリゴンの凹凸が多いとその計算量も増加する。そこで、ポリゴンの凹凸感を表現するバンプマッピングをポリゴンホログラム計算に導入し、計算量を抑えつつ質感の高い3次元再生像を得ることができる手法を開発した。こちらは現在論文を投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度はポリゴンホログラムの計算時間の問題に対処するために、点群法で使われる波面記録法とポリゴン法を組み合わせた手法を開発し、画質を維持しつつ、計算速度を向上できることを示した。また、バンプマッピングによるポリゴンホログラム生成も計画通り進んでおり、論文を投稿した。この間にSPIE Photonics ASIAでの招待講演や複数の講演、受賞をした。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は、ポリゴンホログラムと深層学習を組み合わせたホログラム計算の高速化を検討する。これまでに、当該分野でポリゴンホログラムと深層学習を組み合わせた手法はない。深層学習は一般的に2次元画像を入力するが、ポリゴンは2次元のテクスチャと3次元の頂点データを有するため、このデータをいかに深層学習ネットワークに入力するかが問題となる。深層学習の学習には、一般的な教師あり学習と、ホログラム形成の物理過程を導入した学習方法を検討する。 令和7年度については、これまでにポリゴンホログラムの実装にMatlabを使用した。しかし、Matlabは高速計算には向かないため、C++とCUDA実装を行い、これまでにくらべ1桁から2桁の高速化を目指す。また、前年度から引き続きポリゴンホログラムと深層学習を組み合わせた手法の開発を行う。ここで開発を行う手法はリゴンホログラムの高速化を目標にしつつ、高い画質の再生像を得られるようなニューラルネットワークの開発を行う。ポリゴンホログラムから得られる再生像に運動視差をもたせる手法の開発も行う。運動視差を持たせるために、運動視差毎の参照波をホログラム計算に導入する。
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Causes of Carryover |
実験設備などは研究室にもともとあった機材を使用したため、本研究費では物品を購入しなかった。次年度はいくつかの物品を購入予定であった。また、出版論文はオープンアクセスにしなかったため、この経費も不要であった。
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