2023 Fiscal Year Research-status Report
明末清初の福建絵画とその日本渡来ーグローバル海域の視点からー
Project/Area Number |
23KF0191
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
塚本 麿充 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (00416265)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SUN AIQI 東京大学, 東洋文化研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2023-11-15 – 2025-03-31
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Keywords | 美術史 / 福建 / 黄檗 / 文人画 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度については、作品調査を2件おこなった。2024年1月15日には、東京国立博物館の協力を得て、橋本コレクション(趙珣馬元欽許友など)の調査を行った。また、2024年3月7日には、九州国立博物館の協力のもと、所蔵関連作品(楊道真、喜多元規など)の調査を行い、写真撮影および研究員との意見交換を行って、大きな知見を得た。 これらの成果をもとに、以下3件の学会発表ををおこなった。①2023年12月~14日の台湾中央研究院明清研究国際学術検討会にて「晩明出版文化人的交遊構造―以虎林容與堂的出版活動為例―」として発表し、あわせて国内外の研究者との意見交換をおこなった。②2023年11月4日のアジア日本研究者協議会第7回東国際大会にてパネル発表「異文化の流通や受容:日本を中心に」の中で「明末清初福建画家趙珣と江戸画壇への影響」をテーマとして発表し、③2024年1月27日美術史学会東支部例会にて「福建甫田画家趙珣の研究―17世紀早期福建絵画に見る洋風表現の再確認―」として発表し、会場内外からも意見交換を行い、大きな知見を得ることができた。 現在、これらの調査および研究発表で得た知見をもとに、論文を1件執筆中であり(「福建画家趙珣の研究―日本黄檗絵画と文人画における位置け」)、現在修正投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査活動、学会発表、論文執筆と、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究推進については、作品や文献の調査を続けながら研究を進め、具体的には、趙珣の作品を含む17世紀早期の福建絵画に焦点を当て、とくに黄檗関係で日本に渡来した福建絵画の洋風表現を検討し、その背後にある宗教的や社会的な背景を検証する。またそれに関する研究発表、および論文の執筆を予定している。
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