2023 Fiscal Year Research-status Report
魚類ウイルス性旋回病に対する診断法およびキラーT細胞誘導性DNAワクチンの開発
Project/Area Number |
23KF0273
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
瀧澤 文雄 福井県立大学, 海洋生物資源学部, 准教授 (60822913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ABDELSALAM EHDAA 福井県立大学, 海洋生物資源学部, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2023-11-15 – 2026-03-31
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Keywords | ウイルス性旋回病 / ニジマス / キラーT細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
魚類ウイルス病であるウイルス性旋回病(VWD)を疑うサケ科魚類が確認されたが、本病のウイルスは特定されておらず診断・防除法が存在しない。また、DNAワクチンは遺伝子情報があれば短期で開発でき、ウイルス感染細胞を攻撃するキラーT細胞を活性化できるため、ウイルス病に対する最適な予防法と考えられている。しかし、魚類ではDNAワクチンに対するキラーT細胞の作用機序は不明である。そこで本研究はVWDウイルスゲノムを解読し、その情報を基に本病に対する診断法とDNAワクチンを開発する。また、VWDの宿主かつキラーT細胞の同定が可能なニジマスをモデルとして、本病とDNAワクチンに対するキラーT細胞の活性化機構の解明を目指す。 2023年度は、11月末に研究員が来日して、新たな環境での研究生活を開始してもらった。これまでVWDウイルスの分離を試み、ウイルス様RNAの精製に成功している。また、ニジマスのキラーT細胞の同定やキラーT細胞のマーカーとなるCD8分子の発現様式について基礎的なデータが集まってきている。 これらの結果を発展させることにより、VWDの診断法とDNAワクチンによる予防法が確立されると同時に、ウイルス・DNAワクチンに対する魚類キラーT細胞の活性化機構が解明が進むことが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
VWDウイルスの分離を試み、ウイルスを感染させた培養細胞の変性の確認に成功するとともに、感染細胞の培養上清を用いた再感染に成功している。さらに、培養上清からウイルス様RNAの精製に成功した。また、ニジマスのリンパ組織中のキラーT細胞の割合やキラーT細胞のマーカーとなるCD8分子の発現様式について解析し、キラーT細胞やその機能に関する研究結果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
魚類細胞の培養上清に含まれるVWDウイルス由来と思われるRNAについて高精度の精製を目指す。得られたウイルスRNAについてDegenerateプライマーを用いるPCRやRNA-seq解析によりウイルスゲノムの配列を同定する。また、CD8陽性キラーT細胞についてフローサイトメトリーや蛍光顕微鏡法により解析を進めるとともに、CD8遺伝子や分子の発現様式について解析を進める。
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Causes of Carryover |
2023年度にRNA-seq解析の費用も計上していたが、2024年度に持ち越されたため使用予定額まで達さず、次年度使用額が生じた。
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