2023 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of the oxygen storage/release reaction mechanism of large-capacity oxygen storage materials and performance improvement for realizing energy-saving oxygen production
Project/Area Number |
23KJ0033
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
棚橋 慧太 北海道大学, 工学院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2025-03-31
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Keywords | 空気分離 / 酸素貯蔵材料 / 酸化物 / PSA |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では酸素貯蔵材料を用いた省エネ酸素製造プロセス実現を大目標とし、そのプロセス効率を支配する酸素貯蔵材料の酸素貯蔵・放出性能向上を目指す。そのために代表的な酸素貯蔵材料の酸素貯蔵・放出メカニズムの解明と、酸素貯蔵材料に対する各種アプローチによる酸素貯蔵・放出特性の熱力学的、速度論的変化を目的とする。さらに、実際の酸素分離プロセスを想定し充填層を用いた実験室スケールでの酸素製造試験を行い、操業条件の最適化やプロセスに基づいた酸素貯蔵材料の改良を行う。 本年度は特にCa2AlMnO5+δ(CAMO)に着目し、その酸素貯蔵・放出反応速度論調査と元素ドープによる酸素貯蔵・放出性能特性の変化について調査した。反応速度調査から、CAMOにて課題である反応速度の遅さを改善する方法の1つとして酸素貯蔵・放出反応平衡温度を上昇させることが示唆された。そこで、酸素貯蔵・放出反応温度の上昇が予想されるドープ元素を第一原理計算にて探索した。続いて、計算によって反応温度上昇が予測された元素をドープしたCAMOを実際に合成し、その酸素貯蔵・放出特性を調査した。結果として、酸素貯蔵反応と放出反応のどちらも平衡温度が上昇し、CAMOよりも高速な酸素貯蔵・放出サイクルを可能とすることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度は博士論文の執筆があり、本研究課題に関する新規実験等をあまり行うことができなかった。特に、材料の探索を幅広く行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度で得られた結果、および博士論文執筆期間中に得た情報等に基づいて、材料探索や性能改善に関する研究を早急に進める。最終年度中にプロセスの検討まで移行することが目標である。
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Causes of Carryover |
博士論文執筆による実験機会の減少により、試薬やガラス消耗品の使用頻度が当初予定より減少した。材料探索において幅広い材料合成を行う予定であり、次年度使用額分はそのための試薬購入に充てられる予定である。
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Research Products
(2 results)