2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of glass-transition type Al alloy based microencapsulated phase change material
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23KJ0050
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
清水 友斗 北海道大学, 工学院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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Keywords | 蓄熱 / エネルギー貯蔵 / 相変化材料 / マイクロカプセル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、マイクロカプセル化した合金の過冷度が増大する特異な現象の解明と、その現象を応用したAl基合金をコアとするガラス化利用型相変化マイクロカプセルの開発を目指している。本年度は、新たな合金系相変化マイクロカプセルとそのコンポジット蓄熱材料の開発及び熱特性調査を実施した。その主な成果は以下の通りである。 ①Al-Cu-Si三元系相変化マイクロカプセルの開発 Al-Cu-Si合金粉末への化成被膜処理と熱酸化処理により、Al-Cu-Si合金コアとAl酸化物シェルから成るコアシェル型マイクロカプセルを得た。得られたマイクロカプセルは約520℃に融点を有し、高い蓄熱密度を有した。本マイクロカプセルはコア合金の100回の融解凝固繰り返し試験後もほとんど元の形状と潜熱量を維持する高い熱サイクル耐久性を有した。本成果は査読付き学術論文にて発表した。 ②Al-Cu-Si系コンポジット蓄熱材料の開発 Al-Cu-Si系相変化マイクロカプセルとアルミナ粉末を母材としたコンポジット蓄熱材料の開発を試みた。コンポジット試料はマイクロカプセルとアルミナの混合粉末を圧粉成型した後、熱処理することで作製した。得られた直径1cmの円筒形コンポジット試料はマイクロカプセルと同様に約520℃にて合金コアの融解による潜熱蓄熱挙動を示した。コンポジット試料は1000回の蓄放熱繰り返し試験後も元の構造を保持し、潜熱量の減少もほとんど無い高い耐久性を有した。本成果は2件の国内会議にて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に計画していた新規Al合金系相変化マイクロカプセルの開発に関して、Al-Cu-Si三元系合金にて実施し、その成果を国際学会誌にて発表した。本成果により、合金系相変化マイクロカプセルに生じる大きな過冷却現象の調査対象を今まで開発例の無い三元系合金相変化マイクロカプセルにまで拡大することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に開発に取り組んだAl-Cu-Si合金系相変化マイクロカプセルの凝固特性の調査を実施する。また、申請者達の今までの実験からマイクロカプセルの粒径や合金純度などが相変化マイクロカプセルにおける合金の過冷度に大きく影響することが判明しつつある。そこで、純AlやAl-Si系などの開発例のある相変化マイクロカプセルに関して、新たに高純度の金属原料を用いたマイクロカプセルの開発及び融解凝固特性の評価を実施する。
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