2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23KJ0108
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松尾 崇也 東北大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2024-03-31
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Keywords | n型ドーパント / n型有機熱電変換素子 / n型電界効果トランジスタ / 有機半導体 / ピラニリデン / キノイド |
Outline of Annual Research Achievements |
n型有機半導体のLUMO準位を上回る-4.0 eV以上の極めて高いHOMO準位を持ち、蒸着プロセス可能なn型ドーパントの開発を目的として、ピラニリデン構造を基盤とした電子供与性分子を合成した。末端フェニル基に電子供与基であるメトキシ基もしくはジメチルアミノ基を導入したジピラニリデン誘導体を合成したところ、それぞれ-4.2 eVと-4.1 eVの高いHOMO準位を示した。本分子群はn型ドーパントとして機能し、溶液プロセスを用いてn型半導体ポリマーのキャリア密度の向上が可能であることを明らかにした。ジメチルアミノ基を導入した分子は350 ℃以上の高い融点を示し、真空蒸着可能であった。そこで、n型有機半導体膜に蒸着したところ、n型ドーパントとして機能し、ドープ膜がn型熱電変換特性を示すことを明らかにした。さらに、n型電界効果トランジスタにおける有機半導体表面のキャリア密度を上昇させ電荷注入層を形成するために、半導体-金属電極界面に挿入することで、接触抵抗の低減に利用可能であることを明らかにした。 また、ジピラニリデン部位の中央にp-キノジメタン構造を組み込んだ新規拡張π共役系分子を合成した。本分子群はジピラニリデン分子よりも0.2 eV以上高いHOMO準位を示し、末端フェニル基にジメチルアミノ基を有する誘導体は-3.9 eVの極めて高いHOMO準位を示した。これは、キノイド構造を用いたπ共役系の拡張が、高いHOMO準位を持つn型ドーパントの設計として効果的であることを示唆する結果である。本分子群はn型ドーパントとして機能し、n型半導体特性を示す低分子と高分子のキャリア密度の向上が可能であり、ドープ膜がn型熱電変換特性を示すことを明らかにした。
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