2023 Fiscal Year Research-status Report
光励起によるフェムト秒電子ダイナミクスの現象解明と熱輸送モデルの開発
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23KJ0113
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小野 泉帆 東北大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2025-03-31
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Keywords | 時間依存密度汎関数法 / フェムト秒レーザー / 電子励起 / 誘電関数 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,フェムト秒レーザー照射時の物質の内部におけるダイナミクスを明らかにすることを目的としている. 前述の目的を達成するために,本年度では,時間依存密度汎関数法に関する種々の条件に関する検証を行った.まず,レーザー照射時での格子および電子を同時に解くエーレンフェストダイナミクスを行い,格子の運動による光吸収への影響を評価した.この結果,格子の運動は非常に低速であり,格子を固定した条件で十分に近似が可能であることを示した.また,いくつかの汎関数の下で系に摂動を与え,それによって得られる物質の応答をフーリエ変換し,線形応答理論による誘電関数を実験値と比較した.その結果,計算値は物質のバンドギャップに強く依存しており,適切な汎関数を選択することで十分に実験値と一致することを示した. 次に,物質が強い励起状態になったとき,基底状態と比較して光学応答がどのような変化をするか解析を行った.これにはまず,時間依存密度汎関数法によって,高強度場での電子の時間発展計算を行った.これによって得られた励起電子数からGW近似を行うことによって,レーザー励起前後でのバンドギャップの変化を計算した.その結果,電子励起数によってバンドギャップが増加または減少することが明らかになった. また,フェムト秒レーザーの装置は光源の安定性に問題があったが,温度上昇を抑えるように内部構造を変更することで,安定的なパワーを出力できるようになった.次年度は,確立した数値計算手法と実験結果の比較を検討する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
数値計算による検証を達成し,いくつかの知見が得られているため.また,フェムト秒レーザーの安定化も同時に達成しているため.
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Strategy for Future Research Activity |
検証した数値計算手法を用いて,材料の誘電関数のモデル化の評価を行う.さらに,レーザーの吸収エネルギーを基に,第一原理分子動力学計算を用いることで,高エネルギー電子が格子系に及ぼす影響の評価を行う.また,実験結果も同様にモデル化を行い,数値計算結果と整合性が取れるか検証を行う.
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Research Products
(4 results)