2023 Fiscal Year Research-status Report
キネシンKIF1Aによる順行性軸索輸送の分子ネットワーク解明
Project/Area Number |
23KJ0179
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
穴澤 ゆず 東北大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
|
Keywords | KIF1A / KAND / 分子モーター |
Outline of Annual Research Achievements |
神経細胞内での輸送を担うKIF1Aは分子モーターの一種であり、その変異はKANDと呼ばれる遺伝性の神経疾患を引き起こす。KIF1Aはシナプス小胞前駆体を軸索末端まで輸送することが知られているが、その輸送に関連する分子については多くが明らかになっていない。本研究では、KIF1Aに関連する新規分子を特定することで、KANDの治療標的を探索することを目標としている。申請者は、疾患の原因となるKIF1Aの変異と、相同な変異を線虫C.elegansに導入することで、疾患モデル線虫を作製してきた。今年度は、作製した疾患モデル線虫を用い、サプレッサースクリーニングを行うことで、KIF1Aに関連する新規分子の網羅的探索を行った。その結果、これまでKIF1Aとの関与が示されていなかった分子が、いくつか関連分子の候補として挙がってきており、現在その分子とKIF1Aとの関連について検証している。特に、候補の中でも有力と考えている分子について発表するため、論文を執筆中である。また、次年度には線虫だけでなく、患者由来のiPS細胞を用いて、挙がった候補分子がヒトでもKIF1Aと関連しているか、検証を行う予定である。これに先立ち、iPS細胞の実験手法の習得を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通りスクリーニングにより関連分子を特定できた。また、iPS細胞の取り扱いは次年度からの予定であったが、本年度から着手することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
特定した新規分子が本当にKIF1Aと関連しているか、線虫とiPS細胞の両方を用いて検証を行っていく。また、その分子がKIF1Aに対しどのように関連しているのか、分子経路を明らかにしていく。
|