2023 Fiscal Year Annual Research Report
The study of the phase behaviour and plasticity of binary jammed particles
Project/Area Number |
23KJ0368
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
原 雄介 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2024-03-31
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Keywords | ジャミング転移 / 振動物性 / 粘弾性 / ガラス |
Outline of Annual Research Achievements |
エマルジョン・粉体・コロイド分散系などのジャム粒子系は低密度では液体のように容易に流動するが、高密度では有限の固さをもつ固体的な状態に変化する。この液体状態から固体状態への変化はジャミング転移と呼ばれる非平衡相転移の一つであり、ジャム粒子系に普遍的な現象である。この 20 年ほどで、同一サイズの粒子からなる系の研究が進められ、その理解は深化した。 一方で、現実の粒子にはサイズ分散が存在しているが、その性質はほとんど調べられていない。本研究では、サイズ分散の大きな二成分粒子系の相挙動及びその性質を調べた。 採用までの予備検討で、この系には従来の単成分モデル系には存在しなかった低周波振動が存在することが明らかになった。本年度は、この低周波振動の物理の解明を目指して研究を行った。まず、この低周波振動を特徴続ける構造量を特定するための数値計算を行った。その結果、コンタクト数が空間的に不均一に分布することが特異的な低周波振動の発生メカニズムであることを明らかにした。更に、この観察を元にして、振動状態密度の形状を説明する理論枠組みを構築することに成功した。以上の結果について論文投稿中である。 また、本年度はマイクロレオロジーについての研究も行った。この手法はプローブ粒子を用いた粘弾性測定手法であり、従来的なマクロレオロジーと比べて幅広い帯域の粘弾性測定が可能である。往々にして、用いられるプローブ粒子のサイズは注目する系の粒子よりも大きいため、二成分系の研究知見が活きると考えた。この研究では、マイクロレオロジー測定について理論的な計算枠組みを構築した。更に、開発した理論枠組みを用いて、実験測定で得られるエマルジョンの粘弾性スペクトルを定量的なレベルで再現することに成功した。理論計算の枠組みについては、既に論文を出版しており、実験測定との比較については現在論文投稿中である。
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Research Products
(4 results)