2023 Fiscal Year Research-status Report
ロングリードシークエンスによるもやもや病の新規遺伝子異常の同定と発症機序の解明
Project/Area Number |
23KJ0446
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
虎澤 誠英 東京大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2025-03-31
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Keywords | もやもや病 / 遺伝子解析 / ロングリード / RNF213 / 繰り返し配列 |
Outline of Annual Research Achievements |
もやもや病患者の血液サンプルから抽出したDNAを用いて、ロングリードシークエンスによるRNF213遺伝子の解析を開始した。RNF213を含む連鎖不平衡ブロックを標的領域としてターゲットキャプチャー法にてRNF213を含む連鎖不平衡ブロックを濃縮するプロトコールを確立した。このターゲットロングリードシークエンスの手法を用いて、標的領域に関して計240症例分の解析を行なった。健常人のコントロールデータと比較してもやもや病患者特異的な一塩基多型、構造多型、繰り返し配列を解析した。結果、一塩基多型と構造多型に関しては既知のRNF213 hotspot変異であるRNF213 p.Arg4810Lys以外には有意な結果は得られなかったが、もやもや病とコントロールの比較で有意に長さの異なる繰り返し配列を11箇所同定した。それらの繰り返し配列のコンセンサス配列を詳細に見ると、2箇所の繰り返し配列でもやもや病患者に特異的な配列を有することが明らかとなった。今後は患者臨床情報との関連を解析しこれらの患者特異的な配列異常が臨床的にどういった意義を有するか解析するとともに、さらに別のコホートでの検証も進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
順調に予定通りの症例数での解析が行え、良好な解析データも得られているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はこの特異的配列の正確性を検証するとともに臨床的な意義も解析していく。、さらに別のコホートで今回明らかとなった繰り返し配列の所見と臨床的特徴との関連の検証も進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
これまでの解析には既存の備品などを使用することができ、次年度にvalidation studyを行うためにシークエンス代、実験備品代などとして助成金を使う予定である。
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