2023 Fiscal Year Annual Research Report
熱動画像を利用したヒト触察時における摩擦力推定手法の構築
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23KJ0765
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
常世田 光彦 東京大学, 情報理工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2024-03-31
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Keywords | 触覚 / 計測 / 画像処理 / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では非接触な方法での摩擦力計測手法の確立を目的とし、熱痕跡を利用した摩擦力推定手法の構築に取り組んだ。諸般の事情により、わずか半年で研究課題を中断することになっため、十分な成果を上げることはできなかったが、いくつか今後につながる示唆を得ることはできた。ここでは半年間の研究成果について記す。 初年度は推定に用いる物理モデルの設計に取り組んだ。研究課題が採択される前の研究では、深層学習に基づいた画像処理的な手法により、接触時の摩擦力を推定していた。初年度は、本モデルに物理的制約を取り入れ、推定精度や汎用性が向上することを目的とした。結果として、手法の構築には至らなかったが、具体的な要因として次の二つの課題が挙げられた。 (1)サーモカメラで撮影した熱動画像は非常にノイズが乗りやすいため、ノイズを軽減するような工夫あるいは適切なデータの前処理が必要である。対象表面の熱が伝導する様子をサーモカメラで撮影し、それをプログラムで解析した結果、各画素の揺らぎが大きく、数値シミュレーションとは乖離するような結果が得られた。解析前に適当な解像度での平滑化を行うことで、これを抑制することができた。 (2)熱に関する支配方程式だけでは、拘束条件が不足していたため、新たな拘束条件の導入または機械学習モデルによる補助等の工夫が必要である。近年、未知の物性値ごとモデルの出力に加えるような手法も提案されており、そうした手法も踏まえ今後検討したい。
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