2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of a signal amplification technique using nonlinear optical effects for next-generation gravitational wave detectors
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23KJ0954
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 海堂 東京工業大学, 理学院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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Keywords | 重力波 / 中性子星連星合体 / 光バネ / オプトメカニクス / 量子光学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は懸架鏡の復元力と光の輻射圧の間に発生する光バネを干渉計内での光パラメトリック増幅により強化し、高周波の重力波を優位に捉える技術の原理検証実験である。本研究の原理は系の応答を表現する関数である、伝達関数を測定することによって検証することが可能であるため、本研究では光パラメトリック増幅器を搭載した信号リサイクル型干渉計の離調及び光パラメトリックゲインを変更しながら系の伝達関数を測定する必要がある。 これまで我々の実験系では信号リサイクル共振器とマイケルソン干渉計に間での制御信号の混合が信号リサイクル型マイケルソン干渉計の制御安定性を低下させていた。これは、マイケルソン干渉計の制御にキャリア光の側帯波を使っていたため、取得される制御信号が信号リサイクル鏡の位置の変化を感じてしまうことに起因する。マイケルソン干渉計の制御光としてキャリア光の倍波を用いることでそれぞれの制御を独立化し高い安定性及び離調の操作性を実現した。これによって高い再現性を持った伝達関数測定が可能になった。 また、これまで光パラメトリック増幅に用いるポンプ光の強度が不足しており十分な光パラメトリックゲインを稼ぐことができていなかった。光パラメトリック増幅器をポンプ光の共振器内に入れることで実行的なポンプ光強度を10倍程度増幅させることに成功した。 現在は強化された光バネを観測するために光パラメトリックゲインを変更させながらの伝達関数測定に着手している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
昨年度の予定では2年目に行われるとされていた光パラメトリック増幅の制御および光バネの確認に成功しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
離調が少ない場所での安定性が低く、光バネが優位にシフトした状態を未だ観測できていないため、信号リサイクル共振器の制御方法を改善する。信号リサイクル干渉計の制御にはキャリア光と位相同期されたレーザー光の周波数を変えながら行われているが、この制御の揺らぎが信号リサイクル干渉計の制御雑音に繋がるため本自由度の安定性を高める。 信号リサイクル干渉計の共振点付近では光パラメトリック増幅により光バネの共振周波数のシフト量が大きいため、本研究の原理検証が行えると考える。
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Causes of Carryover |
パワーリサイクル共振器によるハイパワー化を不要と判断したため購入物品が少なかった。 繰り越した分は懸架鏡の代わりとなるフォノニック結晶メンブレンの開発に用いる予定である。
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