2023 Fiscal Year Research-status Report
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23KJ1024
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
仁田原 憲太 金沢大学, 医薬保健学総合研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2025-03-31
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Keywords | 自閉症 / 不妊症 / 性差 / 減数分裂 |
Outline of Annual Research Achievements |
自閉症とは、社会的相互関係の障害および限定された興味やこだわりといった特徴をもつ神経発達障害である。高い発症率や社会生活に大きな影響が出る症状のため、大きな社会問題となっている。自閉症は男女比が4:1と男性優位に発症するという性差が疫学的に知られているが、その原因はわかっていない。近年、クロマチンリモデリング因子CHD8が最も有力な自閉症原因候補遺伝子として同定され、世界中で大きな反響を呼んでいる。 我々はCHD8が全身臓器のなかで特に精巣に強く発現していることを突き止めた。我々はまずCHD8の生殖においての役割を調べた。精巣特異的にCHD8を欠損させたマウスは不妊になり、特に生殖細胞の分化においてCHD8は減数分裂初期の進行に重要であることが明らかになった。CHD8が欠損したマウスの生殖細胞では第一減数分裂の初期で分化が停止し、アポトーシスを起こすことがわかった。CHD8は減数分裂特異的H3K4me3メチルトランスフェラーゼ遺伝子であるPrdm9の遺伝子発現に関与しており、減数分裂時のDNA二本鎖切断に必須であることが判明した。また、CHD8は減数分裂特異的コヒーシンやシナプトネマル複合体遺伝子の転写開始点近傍に存在し、それらの転写を調節することで減数分裂の進行に重要な役割を果たしていることを次世代シークエンス解析等を行い明らかにした。 これらの解析を論文としてまとめ2024年1月に国際誌にて発表した。次年度は精巣特異的にCHD8を欠損させたマウスの行動異常に関しても解析していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CHD8が生殖、特に減数分裂において必須の役割を持つことを突き止めた。これまでの成果をまとめ、国際誌において発表することができた。以上の結果から概ね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
CHD8の精巣における役割は明らかになったので、今後は精巣を介してCHD8が自閉症様行動にどうかかわっているかを検証していく予定である。
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Causes of Carryover |
2023年度に実施する予定であった複数の次世代シークエンス解析は条件検討が遅延したため年度内に行うことができなかった。現時点で条件検討は終了しており、2024年度には実施が可能となる予定である。
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