2023 Fiscal Year Research-status Report
限られた視線の原子輝線強度によるプラズマ電子密度・温度の空間分布推定手法開発
Project/Area Number |
23KJ1100
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
杉本 みなみ 名古屋大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2025-03-31
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Keywords | プラズマ分光 / プラズマ計測 / ニューラルネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、従来の手法では空間分布推定が困難となるような限られた計測視線の分光信号から、プラズマの電子密度・温度の径方向分布を推定する手法を開発することを目的としている。本年度は、本目的および実験装置NUMBERにおける問題として、実験中のデータ取得方法、解析方法の改善と、これまで解析して得られたデータを用いて静電プローブ計測データの解析を自動化した。データ取得時に手書きで保存されていた情報や実験中の記録を電子データで保存するシステムを作成し、実験中及び解析時の作業効率化を図った。本システムを用いることで実験中の自動解析も視野に入ってきた。現在は解析方法と解析結果の表示方法を整備中で、次年度には自動解析を導入予定である。 自動解析と関連して、これまでルールベースでの解析自動化が難しかった静電プローブ解析を、ニューラルネットワークを用いて自動化した。実験装置NUMBERでは、通常の運転で1ショットあたり50フレーム程度のデータを得ることができ、その解析には人力では1時間程度を要した。これまで人力で解析してきたデータを教師データにしてニューラルネットワークを学習することで、人力での解析と同程度の精度で、1ショットあたり数秒程度で解析を完了することができるようになった。また本成果により得られた機械学習・ニューラルネットワークについての知見を、空間分布推定の精度向上や高速化に生かすことができると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験中にリアルタイムで解析結果の確認を行う計画であったが、計算機の不具合が判明したため計算機の更新を行った。現在は解析環境の構築中である。また限られた計測視線の分光実験では検出器の故障があり実験は中断している。そのため、過去に取得した実験データが本研究の解析に利用できるか検討した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度、静電プローブ解析をニューラルネットワークを用いて自動化した。来年度はこの解析を実験中の自動解析の中に取り入れ、リアルタイムで解析結果を確認できるようにする予定である。 また、機械学習を用いて、限られた計測視線の分光信号を解析する手法の高度化を試みる。空間分布推定の精度向上や高速化に生かすことができると考えている。
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Causes of Carryover |
研究の遅れにより学会発表や論文出版がなかったため。次年度に発表予定。
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