2023 Fiscal Year Research-status Report
C2v対称かご型六面体炭化水素クネアンの不斉合成とその反応性に関する研究
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23KJ1339
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹邊 日和 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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Keywords | キュバン骨格編集 / クネアン / セミブル馬連 / ホモキュバン / ホモクネアン / ビスホモキュバン / 水熱反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は,修士2年次に達成したキュバンの修飾反応による不斉環境導入に変わるカゴ型分子の不斉合成として,アキラルな二置換キュバンの非対称化を伴う骨格異性化に着目し進展させてきた。 特別研究員DC1申請書に記したようにアキラルな1,4-二置換キュバンを光学活性な2,6-二置換クネアンに触媒的に変換する手法を既に開発していたので,令和5年度は,1) 1-クネアンアミドの2位のアニオン生成による1,2-クネアン合成(Chem. Lett. 2023, 52, 358), 2) 1,4-二置換キュバンから1,3-二置換クネアンを経て,1,3-セミブルバレンに変換する方法(Chem. Lett. 2024, 53, 10.1093/chemle/upas010),3) キュバンおよびクネアンに対する環拡大反応によるビスホモキュバン及びホモクネアンへの転位触媒の開発(Chem. Eur. J. 2023, 10.1002/chem.202303063)を達成した。この3つの手法で得られたカゴ型分子は全てキラル分子である。このように,キラルカゴ型炭化水素分子骨格を合成用意な二置換キュバンの骨格異性化により網羅的に合成する手法は,新規な合成手法であり,”Cubane Scaffold Editing”と命名し,この合成戦略をまとめて報告することもできた。また,これらの一連の合成を,データベースとして記録することにも着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
キュバンからクネアンへの触媒的不斉異性化を実現したことがきっかけで、本研究を展開した。その後、ク 立体特異的異性化を見いだした。また、キュバンからホモキュバン、そしてビスホモキュバンへの選択的異性化も見いだした。これらは、すべて新規触・反応条件による反応の発見である。このようにカゴ型分子群の合成反応に関して大きなインパクトを与えることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は,合成及びAI利用を指向するデジタル有機合成の分野で研究成果を得ることを考えている。具体的には,Cubane Scaffold Editingの新規反応の開発と,ネットワーク型データベースの完成である。Cubane Scaffold Editingの新規反応については,Cuneaneからの新規反応が見つかっているため,その反応について反応条件や基質適応範囲を詳しく検討し,論文にまとめる。データベースに関しては,その基本構造の検討と,実際にデータのアノテーションなどを行う。これに関して,データの取り扱い方や有機合成の応用分野にも適用可能かの知見を得るために,ドイツに渡航する予定である。
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Causes of Carryover |
今年度は,他の研究費により研究費を賄える状況にあった。また,令和6年度に海外渡航,海外での研究遂行を計画していたため,そのための費用として使用を控えた。
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Remarks |
Organic Reaction/松原研究室 https://matsubaraseijiro2e.wixsite.com/organic-reaction
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