2023 Fiscal Year Research-status Report
股関節深部筋の筋張力バランスに着目した股関節不安性の新たな病態解明
Project/Area Number |
23KJ1370
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
嚴田 光里 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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Keywords | 股関節 / 股関節深部筋 / 関節包靱帯 / iliocapsularis / 股関節不安定性 / 寛骨臼形成不全 / 変形性股関節症 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は、健常者と寛骨臼形成不全患者における筋張力バランスの違いと臨床症状との関連を明らかにすることを当初の予定としていた。しかし、測定内容の見直しや予備実験、また、実験を行うにあたり必要な倫理審査に想定以上に時間を要したことなどがあり、今年度は患者群を対象とした計測が実施できていない現状である。 予備実験を重ねるうちに、股関節痛を有さない若年健常者と、股関節疾患と医師により診断されていないが股関節痛や股関節の違和感を抱えている関節柔軟性の高い対象者(若年疼痛群)における、股関節深部筋 (iliocapsularisや小殿筋、大腿直筋)の特徴は異なるのかという点に興味を持ち、これらを対象とした計測を行った。医師から股関節疾患の診断はされていないが股関節痛を有する者は、スポーツを行う若年者、特に関節の高度な柔軟性を求められる競技を行う者にも数多くみられ、競技や日常生活において支障をきたす可能性がある。そのため、これらの対象者における股関節深部筋の特徴を明らかにすることで、さらなる疾患進行への機序の解明や、治療介入法を考案する際の一助となると考える。測定内容としては、超音波測定機器を用いて安静時と筋力発揮時の股関節深部筋・関節包靱帯の張力や大腿骨頭移動量、質問紙を用いて全身の関節弛緩性の評価、MRIを用いて筋や骨の評価を行った。これらのデータについては、現在解析中であり、今年開催される学術集会に演題登録予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
測定内容の見直しや予備実験、また実験を行うにあたり必要な倫理審査に想定以上に時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
患者群のリクルートや測定を進め、健常者群との相違点を明らかにし、股関節深部筋に着目したトレーニング介入研究に繋げる予定である。また、成果の発表として学会発表や英語論文執筆を行う。
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Causes of Carryover |
患者群での測定が実施できず、その実験に必要な経費を使用しなかったため。 次年度からは計画通りの測定を行う予定であるため、今年度使用しなかった経費から謝金や実験・解析に必要な物品を購入する。
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