2023 Fiscal Year Research-status Report
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23KJ1453
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
若林 優弥 大阪大学, 経済学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2025-03-31
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Keywords | メカニズムデザイン / オークション / 社会的選択理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
論文 A characterization of the minimum price Walrasian rule with reserve prices for an arbitrary number of agents and objects をGames and Economic Behavior 誌に投稿中である。本論文では、(i)選好の非準線形性、(ii)売り手の選好、を組み入れた金銭転移を伴う財配分問題について分析を行った。(i)は周波数オークションのような所得効果を伴う大規模なオークションを分析するため、(ii)はインセンティブオークション(USA,2016)のような保有する財に対して売り手が何らかの価値を持っている状況を分析するために必要な仮定である。 本論文の目的は以上の仮定のもとで望ましい配分ルールを獲得することである。そして本論文では「最小価格ワルラスルールが効率性・個人合理性・非負支払性・耐戦略性を満たす唯一のルールである」という結果が得られた。この結果は、最小価格ワルラスルール以外の配分ルールはこれら4つの性質のうち少なくとも一つを充足しないことを意味し、最小価格ワルラスルールが理論的に非常に優れたルールであることを示している。 本論文の結果は、The 3rd International PhD-Student Conference on Economics and Business (University of Malaga, Malaga, Spain, June 8-9, 2023)とThe 13th Conference on Economic Design (University of Girona, Girona, Spain, June 15-17, 2023)にて研究報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた結果を理論分析で示すことができた。また上記で示したように、論文を現在学術誌に投稿中であり、本年度は2度国際学会で報告を行った。これらの活発な研究活動も考慮すると大きな成果を挙げられたと言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、研究計画に則って、離散的な支払額を考慮に入れた研究を行う予定である。この仮定のもとで望ましい配分ルールを獲得することが、今後の研究の主な目的である。また、学会報告も行う予定である。
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Causes of Carryover |
本年度は研究報告活動を活発に行ったため、予定していた経済実験の準備に十分な時間を取れず、その際必要となるコンピュータの購入を今年度は見送った。次年度ではコンピュータ購入などの経済実験に必要な環境を整える予定である。
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