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2023 Fiscal Year Research-status Report

新規骨格構造を有する医薬品候補化合物探索手法の開発

Research Project

Project/Area Number 23KJ1582
Research InstitutionNara Institute of Science and Technology

Principal Investigator

前田 樹  奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 特別研究員(DC2)

Project Period (FY) 2023-04-25 – 2025-03-31
Keywordsケモインフォマティクス / 医薬品探索 / 機械学習 / 活性予測 / 分子表現 / scaffold hopping
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、多様な標的マクロ分子に対して少数の活性化合物の化学構造からそれらと異なる骨格を有する活性化合物の探索を行う、汎用的かつ高精度な仮想スクリーニング手法の開発である。本研究計画は3項目からなり、令和5年度は項目(1)と(2)を実施した。
項目(1)の分子表現の持つ情報の比較について、4種類の分子表現を用いて分子間の距離の分布を計算したところ、どの分子表現間も相関がなく、それぞれ異なる情報を持つことを確認した。
項目(2)の分子表現の変数選択について、標的マクロ分子ごとに精度の高くなる分子表現を選択してスクリーニングを行う方法として、カーネル関数の重み付き組み合わせを考案した。機械学習モデルsupport vector machine (SVM)のカーネル関数として、各分子表現に対応したカーネルに重みを掛けて足し合わせるカーネル関数を適用した。その結果、二つの分子表現を組み合わせた場合に、スクリーニング精度が高い方の分子表現のみを用いた場合と同程度の精度が得られた。また、重みを決定するための交差検証において、一種類の類縁体分子群のみを学習データとすると常に同じ重みが選択されてしまった。そこで、複数の類縁体分子群を学習データに用いて類縁体毎のデータ分割を行ったところ、一般的に用いられるランダム分割の場合には選ばれなかった0以外の重みも選ばれるようになり、常に同じパラメータ値が選択される問題を解決した。
しかし、上記のモデルではスクリーニング精度が十分ではなかった。そこで、本手法の精度向上の程度をより明らかにするため、多数かつ構造的に多様な学習データを用いて再度計算を行ったところ、組み合わせカーネルの使用による精度向上は確認できなかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初予定していた2項目に取り組み、一定の成果は得られたものの、既存手法を上回る成果には至らなかったから。項目(1)の分子表現の持つ情報の比較については、四つの分子表現がそれぞれ異なる情報を有していることを確認した。項目(2)の分子表現の変数選択についても、学習データが少数の類縁体分子群のみからなる場合には、カーネル関数の重み付き組み合わせにより、二つの分子表現のうち精度が良い方の分子表現と同程度の精度となることを明らかにした。また、ハイパーパラメータを決定するための交差検証において、データを類縁体ごとに分割することで、常に同じパラメータ値が選ばれる問題を解決できた。一方で、上述の方法で得られる精度そのものは実用に足る水準ではなく、ランダムに選択した100個の活性化合物を学習データとした場合には、カーネル関数を組み合わせたSVMでは既存手法であるランダムフォレストを上回る精度を達成することはできなかった。

Strategy for Future Research Activity

テストデータを学習データと共通する部分構造を持たない化合物のみとして、活性既知の化合物と異なる骨格を有する活性化合物の探索精度を評価する。また、分子表現の変数選択として、重み付けによる分子表現全体の選択の他に、分子表現内の各変数の選択を行う。予測に重要な変数を選択することで予測精度の向上を目指す。
少数の活性化合物のみから高精度な予測を行う方法として、項目(3)の複数の立体配座を利用した学習データ数の拡張に取り組む。

Causes of Carryover

学会発表及び論文投稿に必要な費用を計上していたが、本年度は成果の発表には至らなかったため。また、クラウドコンピューティングサービスの利用を予定していたが、本年度は比較的計算量の少ない手法を検証し、大規模な計算は行わなかったため。
次年度は、研究計画の項目(2)と(3)のそれぞれについて、その成果をオープンアクセスな国際学術誌に掲載するための英文校正料と論文投稿料として使用する。また、得られた成果を学会で発表する際の学会参加費としても支出予定である。さらに、項目(3)では分子の三次元構造情報を複数用いた計算を行うため、クラウドコンピューティングサービスの利用費を計上する。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Int'l Joint Research (1 results)

  • [Int'l Joint Research] ボン大学(ドイツ)

    • Country Name
      GERMANY
    • Counterpart Institution
      ボン大学

URL: 

Published: 2024-12-25  

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