2023 Fiscal Year Research-status Report
MBRと新規培養手法を組み合わせた活性汚泥内微生物ダークマターの集積培養と単離
Project/Area Number |
23KJ1642
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
藤井 直樹 広島大学, 先進理工系科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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Keywords | 微生物ダークマター / Patescibacteria / 活性汚泥 / FISH法 |
Outline of Annual Research Achievements |
Patescibacteriaのうち活性汚泥から頻繁に検出されるSaccharimonadia(旧TM7またはSaccharibacteria)、Paceibacteria(旧OD1またはParcubacteria)、Gracilibacteria(旧GN02/BD1-5)を対象に、考案した分離培養戦略に基づき、3年間で上記3グループの細菌の集積培養系の確立および分離培養することを目的としている。具体的には、(1)FISH法による可視化技術の確立、(2)Patescibacteriaの宿主となる微生物の特定、(3)微生物保持リアクターによる集積培養系の確立、(4)Patescibacteriaと宿主の2者のみの共培養系の確立の4ステップで研究を行う。 2023年度は活性汚泥フロック及び、活性汚泥上澄みの分画サンプルをもとにメタゲノム解析を行い、138個のPatescibacteriaのMetagenome Assembled Genomes (MAGs)を得た。それらのMAGsから得た16S rRNA遺伝子をもとに、Gracilibacteria、Paceibacteriaを可視化するプローブを作成することに成功した。また、当初のターゲットではないが、同じくPatescibacteriaに属するMicrogenomatiaを可視化するプローブを作成することにも成功した。 さらに、GracilibacteriaはZoogloea属に属する細菌と近接して存在していることを複数のプローブを用いたFISH観察により特定した。FISH画像を用いた輝度値の定量とメタゲノム解析の結果をもとにGracilibacteriaはZoogloea属に属する細菌と寄生的な関係を構築していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
活性汚泥フロック内に存在するPatescibacteriaを可視化するプローブを複数個作成することに成功した。 また、ZoogloeaがGracilibacteriaの宿主である可能性が高いことを、FISHおよびメタゲノム解析の結果から推測することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、ZoogloeaとGracilibacteriaが高割合で存在する集積培養系の確立を試みる。 Zoogloeaの純菌と活性汚泥から分画したサンプルをもとに、GracilibacteriaとZoogloeaの培養実験を進める。
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