2024 Fiscal Year Annual Research Report
癌細胞のオートファジーと抗原性に着目して膵癌特有の免疫抑制性微小環境に挑む
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23KJ1748
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| Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小山 虹輝 九州大学, 医学系学府, 特別研究員(PD)
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| Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2025-03-31
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| Keywords | Autophagy / 膵癌 / 免疫微小環境 / 樹状細胞 / LAG3 |
| Outline of Annual Research Achievements |
我々は、まず膵癌マウス同所移植モデルを用いて、Autophagy抑制膵癌(KPC-shATG7)とコントロール群の腫瘍免疫微小環境を、scRNA-seq解析を用いて解析したところ、膵癌細胞のAutophagyを抑制することで、微小環境中の樹状細胞 (DC)が活性化することが分かった。さらに、共培養実験、移植マウスモデルを用いた実験を行い、膵癌細胞のAutophagyを阻害することで実際にDCが活性化することを明らかにした。さらに、人工的ながん抗原としてEGFP、OVAを用いた実験により、Autophagy阻害剤を投与すると膵癌細胞内にがん抗原が蓄積することを示し、Autophagy阻害によってがん抗原となりうるタンパクが細胞質内に蓄積することで腫瘍の抗原性が向上し、DCの活性化を誘導した可能性が示唆された。 膵癌細胞移植マウスモデルを用いた治療実験では、Autophagy阻害剤(CQ)とDC誘導剤(Flt-3L)の併用療法の効果をin vivoで検証したところ、2剤の併用効果は認めたものの、腫瘍縮小は不十分であった。これらの結果から、さらにscRNA-seqによる解析を進めたところAutophagy抑制膵癌では、DCの活性化を伴う抗腫瘍免疫を惹起する一方で、Exhausted CD8+TcellのクラスターにおいてLAG3発現の著明な上昇を特徴とする疲弊化が、コントロールと比較してより顕著に誘導されていることが明らかになった。そこで、CQとFlt3Lに、anti-LAG3抗体を併用した3剤併用療法の効果を検証したところ、膵癌マウス同所移植モデルにおいて、著明に腫瘍を縮小させることが分かった。本研究では、Autophagy阻害剤に、DC誘導とT細胞疲弊化抑制を併用することが、膵癌における免疫抑制性微小環境を打破する有望な治療候補となりうる可能性が示された。
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