2023 Fiscal Year Research-status Report
高い多様性を誇るエソ科魚類の分類学的研究および系統類縁関係の解明
Project/Area Number |
23KJ1779
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
古橋 龍星 鹿児島大学, 連合農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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Keywords | エソ科 / 分類 / 形態 / 系統 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は研究試料の収集のため高知県、八重山諸島、小笠原諸島、マレーシアにおいて採集調査をおこなった。また、データ収集のために国立科学博物館(NSMT)、高知大学(BSKU)、東京大学総合研究博物館(ZUMT)、神奈川県立生命の星・地球博物館(KPM)、カリフォルニア科学アカデミー(CAS)、スミソニアン自然史博物館(USNM)、フィラデルフィア自然科学アカデミー(ANSP)、フィールド自然史博物館(FMNH)、ニュージーランド国立博物館(NMNZ)、オーストラリア博物館(AMS)、クイーンズランド博物館(QM)、北部準州博物館・美術館(NTM)、国立自然史博物館(MNHN)、ナツラリス自然史博物館(RMNH)、ロンドン自然史博物館(BMNH)において標本調査をおこなった。採集調査においては約50個体のエソ科魚類を収集することができた。小笠原諸島における調査ではこれまで数例の記録しか知られていない希少なエソ科魚類の収集に成功した。標本調査においては約80名義種のタイプ標本を観察することができた。これによりそれまで知られていなかった各名義種の特徴や識別形質が明かになり、分類学的な混乱を招いていた各種の標徴について評価・再検討が可能となった。また、各名義種の有効性についても現在の異名関係から変更されるものが確認された。一般標本の調査では未記載種と考えられる標本が多数得られ、現時点では本科魚類の未記載種の総数は約40種となる見込みである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
海外渡航および調査における規制が解消し、当初計画していた調査を前倒しで行うことができたため
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに確認している分類学的問題を解決するためには未確認のタイプ標本の調査や追加の試料が必要であり、今後は不足しているデータの収集を行う予定である。
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