2023 Fiscal Year Research-status Report
科学と風水のハイブリッド:中国の生態修復に向けた景観デザインの実践を通じて
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23KJ1795
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
陳 昭 東京都立大学, 人文科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 景観 / デザイン / 風水 / 科学 / 造園 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特別研究員の資格要件に係る特例措置を受け、2024年1月から特別研究員に採用された。2024年1月~3月の三か月の間では、主に博士課程の研究内容との関連性や文献調査から新な研究テーマに着手し始めている。主に以下の四つの方面から研究を推進している。 ①、博論の研究との関連性から、特別研究員の研究テーマを明晰化する:博論の整理や発表を通じて、科学的ランドスケープアーキテクチャーと風水的景観づくりのハイブリッドを理解するには、博士論文で扱ったモダン的景観づくりの手法と、従来の造園の手法の間に、具体的にどのような連続性があってどこが異なるのかを、まず整理しないといけないことにたどり着いた。中国の古典的造園学の技法を調べる方向性が明確になり、いくつか関連する古籍を絞った。今後はそれらを精読して消化した上で、さらに造園学と風水の関係を比較していく。 ②、哲学の文脈から、中国における「技術」「科学」の概念化をめぐる調査:西洋と東洋哲学の比較から、「技術」や「科学」といった事項が、中国においてどのように概念化されてきたのかについて、文献調査をした。今後は、これまで絞った文献を、フィールドワークを踏まえて消化していく。 ③、デザイン研究の文脈から、研究テーマの位置づけを考える:②と共に、戦争とデザインや宗教とデザインなどデザイン研究をより広く視野に入れて、研究テーマとの関連性から文献調査をした。今後は前段階に絞った文献をフィールドワークを踏まえて消化していく。 ④、現地調査に向けた下調べ:調査先の選別や調査の打診、渡航時期について下調べをした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度は終盤の1月から研究をスタートしたため、フィールド調査を実施することができなかったが、文献調査等は順調に進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
これからは、研究実績の概要に上げた四つの方向に沿って以下のように研究を推進する。 ①、風水と古典造園手法の関係について文献調査を行い、比較を図る。 ②、技術という概念の哲学的ニュアンスを、東洋と西洋の比較研究の文脈において把握する。 ③、デザイン研究やデザイン人類学の文献調査を行い、論文を執筆する。 ④、条件が揃い次第、フィールド調査を開始する。中国での長期調査が難しい場合は日本での調査を図る。
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Causes of Carryover |
研究開始の時期は年度終盤の1月であったため。
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