2023 Fiscal Year Research-status Report
Clinical demonstration of a computational laser treatment system using ultrashort pulsed laser
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23KJ1825
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
下条 裕 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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Keywords | 超短パルスレーザー / 皮膚 / 色素性疾患 / メラノソーム / ピコ秒レーザー |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、超短パルスレーザーの生体作用に基づき最適な照射条件を設計するシミュレータの開発に向け、超短パルスレーザー治療の数理モデルの構築、数理モデルの構築に必要となる物理・化学パラメータとして、メラノソームの破壊閾値を取得した。臨床で利用されているピコ秒レーザーについて、異なる光波長(532nm, 730nm, 785nm, 1064nm)におけるメラノソームの破壊閾値を取得し、その閾値とヒト皮膚組織内の光伝搬に基づく超短パルスレーザー治療の数理モデルを構築した。構築した数理モデルによって、皮膚色素性病変に対するピコ秒レーザーの照射条件を計算し、照射波長、照射フルエンス、 照射スポットサイズの関係性を定量評価することに成功した。評価結果より、近赤外域波長のピコ秒レーザーでは、照射スポットサイズを大きくすることで、組織内のメラノソームの破壊に必要となる照射フルエンスが20%以上減少できることが判明し、熱損傷を抑えてレーザー照射するための条件設定における重要な知見を得た。一方、可視域波長のピコ秒レーザーでは、照射スポットサイズを変化させても組織内のメラノソームの破壊に必要となる照射フルエンスはほとんど変化せず、治療効果に対して照射スポットサイズの選択があまり影響しない可能性が示された。また、皮膚組織の物理パラメータの実測に向け、手術で摘出されたヒト組織を使用するために倫理審査書類を作成し、研究倫理委員会への提出を完了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
超短パルスレーザー治療の数理モデルの構築と必要となるメラノソームの破壊閾値を取得することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
超短パルスレーザー治療の数理モデルのファントム実験などによる妥当性検証、臨床条件の適用による提案モデルの有用性検証を進める。さらに、パルス幅の比較より、有効な照射条件の探索を行う。
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Causes of Carryover |
物品に関しては、これまでの研究で使用した、光学部品などが使用できたので、新たに購入する必要がなかった。
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