2023 Fiscal Year Research-status Report
The pro-p outer Galois representations and its applications
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23KJ1882
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
石井 竣 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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Keywords | 数論幾何学 / 整数論 / 数論的基本群 / 一点抜き楕円曲線 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は主に申請書の研究目的と研究計画に述べた通り、虚数乗法を持つ一点抜き楕円曲線に付随する副p外Galois表現を考察し、代表者が過去に得ていたSoule指標の一点抜き楕円曲線に対する類似物の非消滅性や副p外Galois表現の核に対応する体の数論的な特徴づけなど、複数の先行研究の結果を改良することに成功した。これらの結果に関しては対応して二つのプレプリントを発表しており、現在雑誌投稿中である。 他にも、具体的な研究成果として、虚数乗法を持つ一点抜き楕円曲線に付随する副p外Galois表現の核に対応する体の数論的な特徴づけについて、三次円分体かつp=3の場合には何の仮定も課さず完全な特徴づけを得ることに成功した。これは非常に限定的な状況における結果ではあるものの、先行研究で課していたような(現時点では完全に取り除くことは困難と思われる)仮定を一切課していないという点で新しい。 上記の二論文を作成した時点では、素数pが考察している虚二次体上でsplitするという仮定を外せていなかった。しかしながら、さらにその証明手法を精査することによってpがinertする場合に対しても先行研究を拡張できることを示唆する知見が積み重なっているため、研究計画(A)に述べた通り、次年度に関連する研究を引き続き行い、論文執筆に努める予定である。また、研究計画(B)に関連して、(多重)楕円ポリログやその等分点における特殊値を研究する準備も進めており、次年度に並行して研究を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
pがsplitする場合の先行研究の更なる改良など当初の計画予定には無い結果を得ることができた一方で、その改良に予定より多くの時間を割いたことで、当初の計画で予定していたpがinertする場合に対する研究を予定通りに実行することができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
上に述べた通り、基本的には研究計画(A)に述べたpがinertする場合に先行研究を拡張するという方針で研究を進める予定である。また研究計画(B)への移行を円滑に進めるために情報収集を行なっていた楕円ポリログに関しても、受け入れ研究者と連携することで並行して研究を推進したいと考えている。
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Causes of Carryover |
当初は論文を作成するために必要なPC、マウス・キーボード等の周辺機器を経費として計上していたが、昨年度はその購入を見送ったために次年度使用額が発生した。当該助成金は、当初の予定通りこれらの物品に購入に用い、残りは周辺分野の専門書籍の購入に充てる。
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