2023 Fiscal Year Research-status Report
Non-contact blood volume pulse measurement based on multidimensional signal processing
Project/Area Number |
23KJ1961
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
栗原 康佑 東京理科大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2025-03-31
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Keywords | 画像処理 / 脈波信号 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は,多波長動画像の多次元解析に基づく,形状特徴が含まれた脈波計測技術の確立である.これを実現するために,医学的知見を組み込んだ,多次元信号処理手法の検討を行う.後半では,確立した脈波計測技術の応用の一つとして,多波長動画像からの血圧推定に関する検討を行う. 本年度は,観測対象である脈波の医学的知見に基づくモデル化と,それに基づく脈波信号抽出手法の検討を行った.最初に,脈波の非線形性や準周期性といった特性を医学的な観点から検討し,力学的に脈波の特性をモデル化できないか,検討を行った.そして,力学モデルを考慮しながら多次元観測データから時空間構造を抽出可能な,動的モード分解を用いた脈波信号抽出手法を提案した.この中で,脈波の力学モデルを取り入れながら,動画像の持つ時空間情報を最大限に活用可能な枠組みを提案し,従来手法よりも高精度な脈波信号抽出や心拍数推定が可能となることを確認した.この研究成果は,論文誌に採択され,さらに報道機関向けにプレスリリースとして発信することができた.本年度の後半では,提案した脈波信号抽出手法を発展させ,波長方向への拡張が行えないか検討した.ここでは,皮膚や血液の波長特性を考慮した,可視・近赤外動画像を用いた心拍数推定手法を提案した.可視・近赤外情報を,照明環境や波長特性に基づいて適応的に利用することで,心拍数推定精度の向上を実現した.この研究成果は現在,国際会議に投稿中であり,今後,論文誌への投稿も行う予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度は,動画像からの心拍数推定の精度向上のために,脈波の医学的知見の調査や,その知見に基づく信号処理手法の検討を行った.その中で,脈波の時空間領域における力学的な知見を活用した,多次元時系列解析手法である,動的モード分解を活用した手法を提案した.この研究成果は,論文誌に掲載され,さらにプレスリリースとして発信した.こうしたアウトリーチ活動により、本研究分野の周知やプレゼンスの向上に寄与できたと考える. 後半では,提案した時空間次元における解析に基づいた心拍数推定手法を,波長次元方向へ拡張した.具体的には,可視・近赤外波長情報の適応的な利用に基づく,照明変動環境に頑健な心拍数推定手法を提案した.この研究成果は現在論文誌への投稿も検討しており,更なる発展が見込まれる.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに,時空間次元における医学的知見の活用の有効性を確認することができた.また,可視・近赤外波長情報も活用し,さらなる精度向上も実現することができた.今後は,提案手法を論文誌に投稿することを予定している.さらに,提案手法を基盤とした,血圧などのバイタル推定への応用展開も検討していく.
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