2023 Fiscal Year Research-status Report
超小型X線衛星を用いた多波長観測による強重力天体の相対論的ジェット形成機構の解明
Project/Area Number |
23KJ1964
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
武田 朋志 東京理科大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2025-03-31
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Keywords | 宇宙物理学(実験) / 超小型衛星 / 多波長観測 / ジェット |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、世界初の超小型汎用X線衛星 NinjaSat プロジェクトに引き続き参加し、当初の予定通り、衛星の打ち上げ成功、初期運用、科学観測まで順調にプロジェクトを進めることができた。 (1) NinjaSat の主検出器 GMC の開発は2022年度内に完了し、3月中に衛星全体の組み立てが完了した。その後、バス部を開発する NanoAvionics 社のあるリトアニアに合計約1ヶ月ほど滞在し、衛星全体での性能評価試験を実施して検出器の性能に問題がないことを確認した。帰国後、振動試験、熱真空試験、追加の性能評価試験をリモートで実施し、最終的に衛星は2023年11月11日に SpaceX社の Transporter-9 ミッションで無事打ち上げられた。 (2) 2024年1月22日から我々が開発した検出器の動作確認試験をスタートし、搭載したガスX線検出器 GMC と放射線帯モニター RBM それぞれ2台の軌道上での正常動作を確認した。 (3) X線天文学における標準光源であるかに星雲を観測し、想定通り中性子星の 33.8 ms 周期のパルスの検出に成功した。 (4)2月21日に新たに見つかった降着型ミリ秒パルサー SRGA J144459.2-604207 の追観測を2月23日から開始し、Ⅰ型X線バーストを複数回検出することができたため、即座に国際天文電報 The Astronomer’s Telegram (ATel) に報告した。 (5) 2月24日から27日にかけて、代表的なブラックホール連星はくちょう座 X-1 の可視光宇宙望遠鏡 Transiting Exoplanet Survey Satellite (TESS) との同時観測をテスト的に実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
NinjaSat は当初の予定通り、衛星の打ち上げ成功、初期運用、科学観測まで順調にプロジェクトを進めることができている。開発したガスX線検出器 GMC と放射線帯モニター RBM は、軌道上でともに正常に動作しており、プロジェクト立ち上げ時から掲げてきた観測目的である(1)可視光・電波など他の望遠鏡との多波長観測、(2) 突発天体の追観測の2つを科学観測開始直後に実現することができた。以上より、概ね順調に計画が進捗していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
科学観測と並行して実施中の検出器較正を引き続き進め、可視光宇宙望遠鏡 Transiting Exoplanet Survey Satellite(TESS)や、地上の望遠鏡との同時観測を実施する。また、科学観測実施直後に長期観測を実施した突発天体 SRGA J144459.2-604207 の観測結果を投稿論文としてまとめる。
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Causes of Carryover |
衛星組み立て後にドイツおよびリトアニアで実施を予定していた振動試験、熱真空試験について、ともにリモートでの試験実施となり、現地に赴く必要がなくなったため、2023年度の旅費の合計額が予定よりも低くなり、次年度に繰り越しとなった。ただ、当初の予定通り、Ninjasat 衛星の打ち上げに成功し、その後の初期運用、科学観測まで順調にプロジェクトを進めることができており、2024年度は得られた観測結果を論文にまとめ、国内外の学会で複数回発表予定である。したがって、繰り越し金を含む2024年度の助成金は、論文の出版費、学会・研究会への参加旅費として使用する。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Gas selection for Xe-based LCP-GEM detectors onboard the CubeSat X-ray observatory NinjaSat2023
Author(s)
T. Takeda, T. Tamagawa, T. Enoto, T. Kitaguchi, Y. Kato, T. Mihara, W. Iwakiri, M. Numazawa, Y. Zhou, K. Uchiyama, Y. Yoshida, N. Ota, S. Hayashi, S. Watanabe, A. Jujo, H. Sato, C.P. Hu, H. Takahashi, H. Odaka, T. Tamba and K. Taniguchi
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Journal Title
Journal of Instrumentation
Volume: 18
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Development of Gas Multiplier Counters (GMCs) onboard the 6U CubeSat X-ray Observatory NinjaSat2023
Author(s)
T. Takeda, T. Tamagawa, T. Enoto, T. Kitaguchi, Y. Kato, T. Mihara, W. Iwakiri, M. Numazawa, Y. Zhou, K. Uchiyama, Y. Yoshida, N. Ota, S. Hayashi, S. Watanabe, A. Jujo, Amira Aoyama, H. Sato, C.P. Hu, H. Takahashi, H. Odaka, T. Tamba and K. Taniguchi
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Journal Title
Conference Proceeding (37th Annual Small Satellite Conference)
Volume: -
Pages: -
Open Access / Int'l Joint Research
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[Presentation] NinjaSat: Initial Operation Results of the First Japanese 6U CubeSat for X-ray Bright X-ray Sources2024
Author(s)
T. Takeda, T. Tamagawa, T. Enoto, T. Kitaguchi, Y. Kato, T. Mihara, W. Iwakiri, M. Numazawa, Y. Zhou, K. Uchiyama, Y. Yoshida, N. Ota, S. Hayashi, S. Watanabe, A. Jujo, Amira Aoyama, Satoko Iwata, H. Sato, C.P. Hu, H. Takahashi, H. Odaka, T. Tamba and K. Taniguchi
Organizer
38th Annual Small Satellite Conference
Int'l Joint Research
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[Presentation] Development of Gas Multiplier Counters (GMCs) onboard the 6U CubeSat X-ray Observatory NinjaSa2023
Author(s)
T. Takeda, T. Tamagawa, T. Enoto, T. Kitaguchi, Y. Kato, T. Mihara, W. Iwakiri, M. Numazawa, Y. Zhou, K. Uchiyama, Y. Yoshida, N. Ota, S. Hayashi, S. Watanabe, A. Jujo, Amira Aoyama, H. Sato, C.P. Hu, H. Takahashi, H. Odaka, T. Tamba and K. Taniguchi
Organizer
37th Annual Small Satellite Conference
Int'l Joint Research
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[Presentation] 超小型X線衛星NinjaSatの打ち上げ成功と初期観測2023
Author(s)
武田 朋志, 玉川 徹, 榎戸 輝揚, 北口 貴雄, 加藤 陽, 三原 建弘, 岩切 渉, 沼澤 正樹, 大田 尚享, 重城 新大, 渡部 蒼汰, 青山 有未来, 岩田 智子, 周 圓輝, 内山 慶祐, 吉田 勇登, 林 昇輝, 佐藤 宏樹, Chin-Ping Hu, 高橋 弘充, 小高 裕和, 丹波 翼, 谷口 絢太郎
Organizer
日本物理学会2024年春期大会
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[Presentation] 超小型X線衛星NinjaSatに搭載するGEMX線検出器のモンテカルロシミュレータの開発2023
Author(s)
武田 朋志, 玉川 徹, 榎戸 輝揚, 北口 貴雄, 加藤 陽, 三原 建弘, 岩切 渉, 沼澤 正樹, 大田 尚享, 重城 新大, 渡部 蒼汰, 青山 有未来, 岩田 智子, 周 圓輝, 内山 慶祐, 吉田 勇登, 林 昇輝, 佐藤 宏樹, Chin-Ping Hu, 高橋 弘充, 小高 裕和, 丹波 翼, 谷口 絢太郎
Organizer
MPGD & Active媒質TPC合同研究会
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[Presentation] 超小型X線衛星NinjaSat搭載の打ち上げ前衛星統合試験2023
Author(s)
武田 朋志, 玉川 徹, 榎戸 輝揚, 北口 貴雄, 加藤 陽, 三原 建弘, 岩切 渉, 沼澤 正樹, 大田 尚享, 重城 新大, 渡部 蒼汰, 青山 有未来, 岩田 智子, 周 圓輝, 内山 慶祐, 吉田 勇登, 林 昇輝, 佐藤 宏樹, Chin-Ping Hu, 高橋 弘充, 小高 裕和, 丹波 翼, 谷口 絢太郎
Organizer
日本物理学会第78回年次大会
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[Presentation] 柔軟な連携観測を可能に超小型X線衛星NinjaSat2023
Author(s)
武田 朋志, 玉川 徹, 榎戸 輝揚, 北口 貴雄, 加藤 陽, 三原 建弘, 岩切 渉, 沼澤 正樹, 大田 尚享, 重城 新大, 渡部 蒼汰, 青山 有未来, 岩田 智子, 周 圓輝, 内山 慶祐, 吉田 勇登, 林 昇輝, 佐藤 宏樹, Chin-Ping Hu, 高橋 弘充, 小高 裕和, 丹波 翼, 谷口 絢太郎
Organizer
日本天文学会2023年秋期年会
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[Presentation] 超小型X線衛星NinjaSat: 打ち上げ成功と初期観測2023
Author(s)
武田 朋志, 玉川 徹, 榎戸 輝揚, 北口 貴雄, 加藤 陽, 三原 建弘, 岩切 渉, 沼澤 正樹, 大田 尚享, 重城 新大, 渡部 蒼汰, 青山 有未来, 岩田 智子, 周 圓輝, 内山 慶祐, 吉田 勇登, 林 昇輝, 佐藤 宏樹, Chin-Ping Hu, 高橋 弘充, 小高 裕和, 丹波 翼, 谷口 絢太郎
Organizer
第23回高宇連研究会+博士論文発表会