2023 Fiscal Year Research-status Report
染色体欠失症候群特異的iPS細胞を用いた発症機序の解明と新規治療標的の探索
Project/Area Number |
23KJ1974
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
清水 智哉 東京理科大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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Keywords | Wolf-Hirschhorn syndrome / iPS細胞 / 神経堤細胞 / 染色体欠失 |
Outline of Annual Research Achievements |
WHS患者由来iPS細胞から誘導した神経堤細胞の分化能を評価するべく、骨芽細胞、軟骨細胞それぞれに対する分化実験を実施した。骨芽細胞分化に関してはアリザリンレッド染色によって評価した。同様の条件で誘導した健常人由来サンプルと比較して、特徴的な違いは見られなかった。軟骨細胞分化に関しては、アルシアンブルー染色により評価した。健常人由来サンプルと比較して、患者由来サンプルで形態的な異常が確認された。 次にWHS患者由来iPS細胞から誘導した神経堤細胞の遊走能を評価するべく、創傷治癒実験を実施した。同様の条件で誘導した健常人由来サンプルと比較して、患者サンプルで遊走能の上昇傾向がみられた。これらの神経堤細胞の分化能および遊走能の異常が患者でみられる頭蓋顔面領域の発達異常に関与していると考えられる。 次年度はこれらの病態モデルから、責任遺伝子の同定および発症メカニズムを解明するべく、遺伝子発現解析を実施する予定である。また同様の実験をDGS患者由来iPS細胞でも実施し、疾患特異的な異常表現型がみられるか検証する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記の通り、WHS患者由来iPS細胞から神経堤細胞を誘導し健常人由来サンプルと比較解析を行うことで、病態モデルを確立した。DGS患者由来iPS細胞に関しては、病態モデル確立に向け現在同様の実験を開始した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は発症メカニズムを解明するべく遺伝子発現解析を実施する予定である。WHSおよびDGSの欠失領域にはそれぞれ転写制御因子が含まれているため、下流の遺伝子発現に異常をきたすと予想される。神経堤細胞で病態に関与する患者特異的な遺伝子発現異常を同定するためにRNA-seqを行う。またRNA-seqの結果から欠失領域内の遺伝子で実際に発現が変動する遺伝子を同定し、それらの遺伝子を候補原因遺伝子とする。さらに患者由来iPS細胞における候補原因遺伝子の過剰発現株を作製し、患者神経堤細胞の表現型を回復させる遺伝子を探索する。
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Research Products
(1 results)