2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of a therapy that improves sarcopenia by targeting exakines
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23KJ2060
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
白井 隆長 神奈川大学, 人間科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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Keywords | Exerkines / 運動様式 / 骨格筋 / 生理活性物質 / ミトコンドリア / OCR |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、本実験に必要となるヒト血液の採取とその機能解析を中心として研究を遂行した。 健康な成人男性を対象とし、若齢群、高齢群、ポジティブコントロールとして日常的に運動を行っているアスリート群の3群を設定し採血を行った。採取した血液より血清及び血漿を抽出し、培養細胞の培地中濃度が5-10%となるように混合した。各血清を24時間インキュベートし、その後の細胞内酸素消費速度(OCR)の最大呼吸(Maximal respiration)をメインアウトカムとして評価した。その結果、高齢群の血清を添加した細胞の呼吸能力は若齢群およびアスリート群と比べ有意に低い値を示し、アスリート群は若齢および高齢群と比較して有意に高い値を示した。また、同細胞のミトコンドリア関連遺伝子の発現量を評価したところ、アスリート群において、クエン酸合成酵素に関連する遺伝子の発現量が有意に高い値を示し、運動を行っているアスリートの血清はミトコンドリア機能を高める可能性を示唆した。さらに、競技特性の異なるアスリートの血清の影響も評価したところ、代謝特性によって呼吸能が変化することも明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で必要となる対象者の血液採取が完了し、多くの被験者の血清を骨格筋培養細胞に添加したサンプルを作成した。現在も各血清を添加した骨格筋培養細胞の酸素消費速度や遺伝子発現を検討している状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
ミトコンドリアの呼吸能力の結果から、ミトコンドリア関連遺伝子の発現変動を網羅的に解析し、発現変動の大きかった遺伝子のサイレンシングを行う。また、これまで使用していたマウスC2C12細胞だけでなく、ヒト培養細胞や初代培養を用いて、より生体に近い細胞に対する血清添加の影響を検討していく。
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Causes of Carryover |
初年度に遂行予定であった解析に加え、ELISAを使用した血液中タンパク質の変化を追う必要があり、前倒し予算の申請を行ったため。
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