2023 Fiscal Year Research-status Report
Fundamental research for social implementation of cognitive behavioral therapy for children and adolescents
Project/Area Number |
23KJ2115
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
岸田 広平 関西学院大学, 文学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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Keywords | 子ども / 認知行動療法 / 社会実装 / メンタルヘルス |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、子どもたちのメンタルヘルスの悪化が大きな社会問題となっている。本邦では、それらの社会課題に対して、エビデンスに基づく心理療法の1つとして、認知行動療法の有効性が確認されてきている。残された大きな課題は、この有効な治療法をより広く社会に届ける社会実装の推進である。本研究の目的は、子どもに対する認知行動療法を社会実装するための基盤研究として、支援を必要とする親子や支援者および治療者がアクセス可能な情報公開プラットフォームを構築し、子どもに対する認知行動療法を提供する治療者訓練プログラムの開発と有効性の検証を行うことであった。2023年度(1年目)は、子どもの認知行動療法に関する情報収集および学会での発表を中心に実施し、情報公開プラットフォームの構築を進めた。具体的には、日本不安症学会(学校ベースの認知行動療法に基づくメンタルヘルス予防教育)、日本心理学会(子どもの不安に対する認知行動療法)、日本認知・行動療法学会(子どもの反抗挑発症に対する認知行動療法)、日本認知療法・認知行動療法学会(子どもの不安症と抑うつ症に対する認知行動療法)において、ポスター発表およびシンポジウムでの発表を実施した。日本不安症学会での発表は、「第15回日本不安症学会学術大会 若手優秀演題賞」に選定された。さらに、一般社団法人青少年のための心理療法研究所と連携し、子どもの認知行動療法に関する対面式交流イベント(JICAP EXPO)やオンラインセミナー(学校でみんなで取り組む認知行動療法プログラム)を企画・実施し、治療者や支援者に対する情報公開プラットフォームの構築を予定通り進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は、当初の計画通り、情報公開プラットフォームの構築を進めた。以上のことから、本研究はおおむね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度(2年目)以降は、治療者や支援者を育成するための訓練プログラムの開発を進め、より多くの支援者や子どもたちに認知行動療法を届けるための研究を進める予定である。
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Causes of Carryover |
概ね計画通りに研究費を使用したものの、少額を次年度に繰り越した。繰越金については2024年度の研究支援員雇用のための人件費や謝金等に使用する予定である。
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Research Products
(7 results)