2023 Fiscal Year Research-status Report
腸内細菌の生体調節作用におけるエキソソームの役割に関する研究
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23KJ2172
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
青木 綾子 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産研究部門, 特別研究員(RPD)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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Keywords | 腸内細菌 / エキソソーム / 無菌マウス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、細胞間情報伝達に関与する膜小胞「エキソソーム」に着目し、腸内細菌の生体調節作用におけるエキソソームの役割を解明することを目的としている。これまでの研究から、腸内細菌の有無によりマウス血清由来エキソソームの構成成分が異なることや、それらがマウス生体の遺伝子発現に与える影響が異なることが示唆されている。 そこで今年度は、腸内細菌を有するSpecific pathogen free (SPF)マウスと腸内細菌を有しない無菌(GF)マウスから血清エキソソームを調製し、これらをGFマウスに移入する試験を実施した。 具体的には、SPFマウスおよびGFマウスを用意し、イソフルラン吸入麻酔下で大静脈より全採血を行った。遠心分離を行い血清を採取後、ExoQuick(SBI System Biosciences)を用いて血清からエキソソーム画分を調製した。エキソソーム画分をPBSに懸濁後、別に用意したGFマウスの腹腔に投与した。24時間無菌アイソレーター内でマウスを飼育後、イソフルラン吸入麻酔下で屠殺した。解剖を行い、各組織を採取し、RNAlaterで処理後、-80度で保存した。 続いて、エキソソームの移入が各種臓器のmRNA発現に与える影響を調べるため、RNAseq解析を実施する予定であったが、予算都合により延期した。RNAseq解析は次年度に実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
無菌マウスのRNAseq解析を実施する予定だったが、予算の都合により、次年度に延期する。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、各種臓器のトランスクリプトーム解析結果から差が認められたmRNAに関してreal-time PCRによる確認を行う予定である。さらに、マウス各種臓器由来の初代培養系を用いて遺伝子の発現やタンパク質発現に与える影響を解析する計画であり、これらの試験を実施することにより腸内細菌が血中エキソソームに与える影響が明らかになると考えられ、微生物刺激の伝達におけるエキソソームの役割という新しい研究分野が創出されることが期待される。
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Causes of Carryover |
無菌マウスのRNAseq解析を実施する予定だったが、予算の都合上、次年度に繰り越した。
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