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2023 Fiscal Year Research-status Report

クロマチン状態がゲノム不安定性リスクに及ぼす影響と、その制御メカニズムの研究

Research Project

Project/Area Number 23KJ2190
Research InstitutionNational Cancer Center Japan

Principal Investigator

松野 悠介  国立研究開発法人国立がん研究センター, ゲノム安定性制御研究ユニット, 特別研究員(PD)

Project Period (FY) 2023-04-25 – 2026-03-31
Keywordsゲノム不安定性 / 放射線 / クロマチン / クローン進化
Outline of Annual Research Achievements

殆どのがんは、ゲノム不安定性(染色体不安定性:CIN、またはマイクロサテライト不安定性:MSI)を伴って発症している。これまでの解析から、「ゲノム不安定性導入を介して変異細胞のクローン進化が誘導される」ことが示された。しかし、どのようにゲノム不安定性リスクが高い状態が形成、制御されているのかは明確でない。本研究では、がん化をドライブするクローン進化のリスク要因となる“ゲノム不安定性リスクが高いクロマチン状態”を特定し、その制御機構の解明と、制御技術の創出を目指している。
本年は、クロマチン状態とゲノム不安定性リスクの関係解析を中心に研究を実施した。ゲノム不安定性リスクが高い細胞状態の特徴を明確にするため、高リスク状態の細胞(“放射線照射を受けた細胞”、“増殖刺激した老化細胞”など)と低リスクの細胞(“放射線照射を受けていない細胞”、“血清飢餓により複製ストレスを抑制した細胞”など)について比較解析を試みた。これまでの研究から、『高リスク状態は複製ストレスに伴って誘導される』ことを鑑み、ヒストン修飾の免疫蛍光染色を実施し、高リスク状態に関与する候補因子を探索した。その結果、ゲノム不安定性のリスク状態に対して転写制御に関わる複数のヒストン修飾が関係を示す結果が得られた。さらに、これらの因子に注目してChIP-seqを実施し、リスク状態との関係や特徴を解析した。その結果、ゲノム上の転写制御に関わる領域において差異が生じることが示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究では、(1)放射線で誘導される“高リスク状態”に特徴的なクロマチン状態を明確にすること、(2)“高リスク状態”の形成機構について明確にすること、(3)“リスク状態”の制御技術の創出、を目的としている。本年度は(1)について解析が進行していること、(2)についても解析系の準備を整えたことから、研究は概ね順調に進行していると考えられる。

Strategy for Future Research Activity

本年度は、ゲノム不安定性のリスク状態に対して転写制御に関わる複数のヒストン修飾の関与が示唆された。来年度は、これらのヒストン修飾の制御機構や、複製ストレスへの影響解析を計画している。ゲノム不安定性の“高リスク状態”の誘導機構を明確にするため、細胞の老化や、放射線によるDNA損傷応答に伴う、クロマチン状態の変化過程を解析する。特に、本年度見出されたヒストン修飾やヘテロクロマチンタンパク質に注目して解析する。さらに、これらのクロマチン状態を制御する因子(ヒストン修飾酵素の関与が予想される)を、ノックダウンやノックアウト、酵素活性の阻害等により検証、同定し、クロマチン状態の制御機構を明確にする。

Causes of Carryover

本年度の解析で、ゲノム不安定性のリスク状態に関わる候補因子(ヒストン修飾)が当初の想定より順調に得られたため。一方で、次年度実施予定のメカニズム解析(リスク状態に関わるヒストン修飾酵素の同定)の結果によっては再度探索を実施する必要があるため、次年度使用額は抗体の購入など、これら一連の解析に使用する計画である。

URL: 

Published: 2024-12-25  

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