2023 Fiscal Year Research-status Report
薬剤関連顎骨壊死に関わる疾患感受性遺伝多型と微生物ゲノムの解析
Project/Area Number |
23KJ2237
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Research Institution | National Center for Global Health and Medicine |
Principal Investigator |
矢原 寛子 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, 研究所 ゲノム医科学プロジェクト(戸山), 特別研究員(RPD)
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Project Period (FY) |
2023-10-02 – 2027-03-31
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Keywords | 薬剤関連顎骨壊死 / MRONJ / メタゲノム / 微生物叢 |
Outline of Annual Research Achievements |
薬剤関連顎骨壊死MRONJは、広範囲な骨壊死・露出を伴う難治性の疾患である。骨吸収抑制剤や血管新生阻害薬等の投与を受けている患者に発症するが、原因が不明で医療関係者に混乱を招いており、病態解明とスクリーニング法の開発が早急に求められる。 本研究では、①患者の口腔内に存在するActinomyces属菌のゲノムをメタゲノムデータから復元し、先行研究で報告された疾患関連遺伝子が、ゲノムのどこにどのようにコードされているか、Actinomyces属の中でどう進化したのか明らかにする。次に、②新たに患者から採取した唾液を用い、Actinomyces属と疾患関連遺伝子が検出されるか検証する。同時に、③唾液由来DNAからヒトHLA領域全長35遺伝子のタイピングを行い、特定の型がMRONJに関連するか明らかにする。更に、疾患関連遺伝子とHLA遺伝子の型の組み合わせがMRONJに関連するか明らかにする。 本年度、予定通り倫理委員会一括審査の承認が得られ、各共同研究施設に検体の採取と輸送に関するマニュアルを送付し、1施設あたり20検体を目標とした検体収集を開始した。一方、先行研究で解析した患者3名の唾液由来DNAの残りをロングリードシークエンサーで解読し、Actinomyces属のゲノムを復元し、解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り倫理委員会一括審査の承認が得られ、各共同研究施設に検体の採取と輸送に関するマニュアルを送付し、検体収集を開始することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
合計6つの分担研究機関から患者検体を収集し、開発した選択培地を用いて菌株を分離し、分離されたゲノム等の解析を進める。
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Causes of Carryover |
検体収集に若干の保留が生じたため。
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