2023 Fiscal Year Research-status Report
Interdisciplinary analysis of the relationships between human and livestock on regional relict breeds and building of museum inventory
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23KK0009
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
遠藤 秀紀 東京大学, 総合研究博物館, 教授 (30249908)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中井 信介 佐賀大学, 農学部, 准教授 (90507500)
野林 厚志 国立民族学博物館, 学術資源研究開発センター, 教授 (10290925)
工藤 光平 東京大学, 総合研究博物館, 特任研究員 (40790077)
山田 英佑 山梨県立博物館, 山梨県立博物館, 学芸員 (30748968)
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Project Period (FY) |
2023-09-08 – 2029-03-31
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Keywords | 人と家畜の関係 / 地域残存品種 / 現地調査 / 標本資料 / 博物館 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の特質の一つは、現地調査である。アジアから、タイ、ベトナム、ラオス、ネパール、インドネシア等を対象に、欧州では、ハンガリー、イタリア、ドイツ等を対象としている。研究を貫く根幹として、1地域残存品種の機能形態学的解析、2家畜の飼育・育種・屠殺・利用等を通じた農村民と家畜の共存様態の把握、3家畜標本と関連する農具・民具の収集とデータ化、の3点を念頭に研究を開始した。 1の地域残存品種の検討は、ベトナム、ラオス、タイから開始している。骨学、マクロ機能形態学的スペック解析を開始した。三次元画像解析による地域残存品種・集団の形態学的解析の準備を進めた。 2の研究基軸は、各地域での家畜育種における民俗、伝統、文化、社会、信仰等を検討し、生活様態の記録、聴き取り調査、村落踏査を念頭に、研究を開始した。飼育、屠殺、消費、信仰・宗教、経済を把握し、家畜と関連野生集団に向けられる思い、嗜好、心的背景等の検討を開始した。農村民俗の伝統系譜を掘り下げるとともに、学際的にデータを融合し、人間が地域残存家畜に親和性をもって近接する精神世界と価値観の検討に取り組んだ。また、日本の古典的牧畑の時代変遷に関する解析を進めた。 3では、研究組織とカウンターパートの共同作業によって、コレクションの構築と解析を目指して研究を進めた。地域残存集団の骨格標本やゲノム資料を収集蓄積し、博物館資料として継承している。人文科学的学術資料としては、家禽の捕獲・飼育・利用に関する用具を中心に、ウシ、スイギュウ、ブタ、ニワトリに密着した農具類・道具類・民具類に着目して、人と家畜の関係の議論を開始した。また、日本国内の資料蓄積と検討を進めた。 総じて、調査と資料蓄積と学融合を、本計画推進の骨子としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
初年度は期間が短く、絶対的な量のある研究実績にはなり得ないが、その中でも今後につながる成果を、いくつかの研究の方向性から確立することができた。日本国内の伝統的な家畜家禽と人間との関係の解析が進んだ。また、国内島嶼の小規模伝統的なウシやウマの飼育に関してデータを蓄積できた。研究計画の開始時点として、十分な進展であると評価される。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスの影響が残る国際情勢で、現地調査が影響を受けたことは否定できない。一方で、標本解析や、国内の資料調査・解析が進んだため、次年度以降の研究方針として、国内外の人と家畜関係の比較総合に、より力を入れる計画を立てている。また、社会情勢から一時的に沈滞した海外のフィールド調査計画を活性化する。生物学的には、生産性の低い地域残存品種の形態と機能特性の解析を継続する。合理性の高い家畜生産とは距離をとって、文化、精神的潤い、信仰・宗教の観点から、日本とアジアの現地比較を行い、総合的理論化を進める。地域残存品種の学融合的理論化を図るため、地域残存家畜を基軸にしたリベラルアーツ研究の長期的展開を、日本ととくにアジアを基盤に進める計画である。本計画の規模は大きくないが、研究期間を活かして、時間のかかる理論構築を着実に進める方針をもっている。
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Causes of Carryover |
研究計画は問題なく進捗している。研究手順の前後関係を入れ換えるなどの効果により、次年度使用額が残されたが、これは2024年度に請求されている助成金と合わせて、執行される計画である。
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Research Products
(13 results)