2023 Fiscal Year Research-status Report
High-throughput Experimental System Using Implantable Cell-biomaterial Microarray
Project/Area Number |
23KK0070
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
永井 萌土 豊橋技術科学大学, 次世代半導体・センサ科学研究所, 教授 (00580557)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 俊哉 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00909294)
崔 容俊 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80868828)
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Project Period (FY) |
2023-09-08 – 2026-03-31
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Keywords | 光造形3Dプリンタ / 細胞生体材料マイクロアレイ / DIW / 集積ノズル |
Outline of Annual Research Achievements |
生体内に移植可能な細胞生体材料マイクロアレイ(CBMA: Cell Biomaterial Microarray)を作り,ハイスループット実験システムを開発することを目的としている。代表がシンガポールへ渡航し,2024年度に本格的に現地で研究を実施するための準備を行った。シンガポール工科デザイン大学と南洋理工大学の両方を訪問した。従来のシングルノズルを活用した形成法の結果を議論し,次に設計するべきノズルや細胞生体材料マイクロアレイ(CBMA)のフォーマットを改良した。 移植可能な濃度勾配を持つCBMAの作製法を議論した。これは集積ノズルと単一ノズルを利用する場合の両方で,濃度勾配を持ったCBMAを作製するものである。ポンプ集積化ノズルは,多層流体マイクロデバイスの技術を適用して開発する。全材料をPDMSまたはフレキシブルレジンとし,設置場所で溶液が混ざり合う設計とした。ノズルには空圧駆動バルブを統合し,その開閉動作で液量を10nL単位で調整し,0~50nLで配置できるようにした。 光造形3Dプリンタでレジンモールドを作製できるように,プリンタを準備し,モデルを作製した。このモールド上に未硬化のPDMSを滴下し,剥がし取り,穴の空いたPDMS-MA(幅10mm,ピッチ0.7mm,14×14の196ウェル)を得られるようにしている。配置する材料のサイズは,直径0.5 mm,高さ1mmの穴で体積は合計で200 nL程度である。サブμLスケールの細胞と試料の活性を保ったまま,格子状にマイクロパターニングが可能である。次年度以降に形成し,十分に混合できる条件,時間を短縮する条件を探索できるように準備を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の進捗は,おおむね順調に進展していると判断できる。その理由は以下の通りである。 代表がシンガポールへ渡航し,シンガポール工科デザイン大学と南洋理工大学の両方を訪問した。これにより,2024年度に本格的に現地で研究を実施するための準備が整った。訪問では,従来のシングルノズルを活用した形成法の結果を議論し,次に設計するべきノズルや細胞生体材料マイクロアレイ(CBMA)のフォーマットの改良点を明確にした。 移植可能な濃度勾配を持つCBMAの作製法についても議論が進んだ。集積ノズルと単一ノズルの両方を利用し,濃度勾配を持ったCBMAを作製する方法を検討した。ポンプ集積化ノズルの開発では,多層流体マイクロデバイスの技術を適用し,全材料をPDMSまたはフレキシブルレジンとし,設置場所で溶液が混ざり合う設計とした。またノズルに空圧駆動バルブを統合し,10nL単位で液量を調整できるようにした。 光造形3Dプリンタを準備し,レジンモールドの作製モデルを作成した。このモールドを用いてPDMS-MAを得られるようにしており,サブμLスケールの細胞と試料の活性を保ったまま,格子状にマイクロパターニングが可能となる。次年度以降の研究に向けて,形成条件や混合条件,時間短縮の条件探索の準備も進めている。 以上のように、シンガポールでの研究実施に向けた準備が着実に進んでおり,CBMAの作製法についても具体的な検討が進んでいる。また,次年度以降の研究に向けた準備も進めていることから,本研究の進捗はおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
代表が6ヶ月,分担1名がシンガポールに滞在する。シンガポールでノズルとPDMDS-MAを作製し,濃度勾配を持つ細胞・ゲル試料を格子状に配置してCBMAを開発する。 CBMAのin vitro評価を行う。さらに2025年度を見据えて,CBMAを生体内に移植・評価する技術を整える。PDMS-MA単体の移植評価は,日本で実施する。滞在はシンガポール工科デザイン大学を中心とし,南洋理工大学も訪問する。 集積ノズルと単一ノズルの両方を利用し,濃度勾配を持ったCBMAを作製する。ポンプ集積化ノズルの開発では,多層流体マイクロデバイスの技術を適用し,全材料をPDMSまたはフレキシブルレジンとし,設置場所で溶液が混ざり合う設計を実現する。またノズルに空圧駆動バルブを統合し,10nL単位で液量を調整を実証する。 そのためには光造形3Dプリンタからレジンモールドを出力し,このモールドを用いてPDMS-MAを得られるようにする。サブμLスケールの細胞と試料の活性を保ったまま,格子状にマイクロパターニングを示す。
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Causes of Carryover |
シンガポールへの海外渡航を2024年度に重点的に行うようにすることにしたため。また人員配置計画上,2024年度の実験支出や装置支出が多くなることが見込まれたため,2023年度で支出せずに2024年度に使用することにした。
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