2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of Recovery Evaluation Methods in Disaster-affected Areas in Indonesia and Clarification of Spatio-temporal Changes in Disaster Risk Perception
Project/Area Number |
23KK0084
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
村尾 修 東北大学, 災害科学国際研究所, 教授 (70292753)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 玲 東北大学, 災害科学国際研究所, 助教 (20896998)
三浦 弘之 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 准教授 (30418678)
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Project Period (FY) |
2023-09-08 – 2028-03-31
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Keywords | 復興評価手法 / リモートセンシング / 災害リスク認知 / 時空間推移 / インドネシア |
Outline of Annual Research Achievements |
1年目となる今年度は、12月10日から17日にかけて調査対象となる二つの地域に赴いた。バンダ・アチェでは、シャクアラ大学のDr. Muzailin氏に対してプロジェクト概要を説明し、これからの協力を依頼し、インド洋津波被害に関する情報と今後の調査ついて助言をいただいた。また、災害遺構公園や津波避難ビル、被災した沿岸部を視察し現状を把握することができた。さらに建設から20年ほどが経過した復興住宅を訪れ、被災住民から今後のヒアリング調査への協力を得られた。今後の調査に使用する予定であるスマートフォンにおけるQRコードの読み込みをテストしたところ問題があり課題も見つかった。ジョグジャカルタにおいては、共同研究代表者である、ガジャ・マダ大学のAssoc. Prof. Ikaputra等と打ち合わせを行った。ヒアリング対象地のひとつをメラピ山付近の復興住宅地にすることとなり、実際に被災した住民から当時の様子や現在の心境について話を聞くことができた。 リモートセンシング技術を用いた復興評価については、主にバンダアチェを対象として,2004年インド洋津波直前から2023年までの衛星画像データの収集を行った。長年の観測実績があり,画像データが無償で得られる人工衛星Landsatの画像を収集し,地震直前から最近までの期間で被災地において雲の影響の少ない計35シーンの画像を得た。また,画像データの検証用に,時系列人口分布データも入手した。こうしたデータを用いて、人口が増加しているバンダ・アチェにおける津波避難リスクの推移を分析し、今後の津波リスク軽減のための提案を行った。 災害リスク認知に関しては、各地でのコミュニケーションを通した協力依頼や関係性の構築に併せて、先行研究・関連図書のレビューを経て、今後の「人を対象とする調査(主に質問紙調査とし、一部インタビュー調査」の内容を計画、デザインした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
相手国の共同研究者と研究協力者との強固で友好的な協力関係構築ならびに現地住民との良好なコミュニケーションをはかることができたため、概ね順調に進展している。研究テーマごとの計画においても「マクロな復興評価の現地調査による検証」に関する対象地概要の把握とデータ収集、「復興市街地の(物的環境)のBBB(Build Back Better)検証」における基礎調査、「住民による復興市街地のBBB居住環境評価」、「住民の復興感評価」についての詳細調査準備を行い、2023年度の研究計画の大部分を遂行することができた。現地調査時に見つかった課題についても改善策を検討した。これらにより、今後の円滑な研究推進が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目となる2024年度は、「より良い復興(Build Back Better)」を評価する復興評価手法開発に向け、3つの視点(地域というマクロな視点、地区という現地調査に基づく現場での目線、住民による視点)に重点を置き、現地調査ならびにヒアリングを本格稼働し復興評価の検証を行う。 リモートセンシング技術を用いた復興評価については、収集した衛星画像データから,植生や市街地の活性度を表すスペクトル指標を算出し,都市域を特徴づけるのに適した指標の選定を行う。人口分布データを用いてスペクトル指標の調整を行った上で,多時期の衛星画像データによる指標から市街地分布の変化を求めることで,災害後の復興を含む都市域の空間的な時系列変動の特徴を明らかにする。 災害リスク認知に関しては、2024年11月頃に予定している「人を対象とする調査」の実施に向けて、質問紙調査の項目の確定と倫理審査手続きに加えて、現地カウンターパートになる各大学との連携を持つ。また、国際学会発表並びに論文化(Build Back Betterを測定するための指標の整理・開発、人・社会におけるBuild Back Betterのモデルの構築に関する成果発信)に向けて、先行研究・関連図書のレビューを続ける。 なお、2024年11月に開催される国際会議(Aceh International Workshop and Expo on Sustainable Tsunami Disaster Recovery)において、津波避難リスクの変化に関する成果発表も予定している。
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Research Products
(1 results)