2023 Fiscal Year Research-status Report
異種金属錯体多面体の構造多様性を用いた高活性触媒の探索
Project/Area Number |
23KK0100
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
古川 修平 京都大学, 高等研究院, 教授 (90452276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立石 友紀 京都大学, 高等研究院, 特別研究員(PD) (00973116)
田中 大輔 関西学院大学, 理学部, 教授 (60589399)
秋吉 亮平 関西学院大学, 理学部, 助教 (00907537)
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Project Period (FY) |
2023-09-08 – 2027-03-31
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Keywords | 多孔性材料 / 金属錯体多面体 / 異種金属混合 / 触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、多様な空間構成要素の配置を生み出す異種金属イオンを混合した金属錯体多面体(MOP)の創成を行う。3次元フレームワーク構造を直接構築するのではなく、内部空間を有する分子であるMOPを空間の構成単位として合成し、これを多孔性材料として集積する。その優位性は次の2点に集約される。(1) MOP は離散的であるため、空間構造の同定と制御がそれぞれの分子ごとに可能である。そのため、同一MOP中に複数種の金属イオンをもつ複雑な空間を生成しても、その多様な空間構造を持つMOP群の構造同定が可能になる。(2)MOPは多面体であるため、複数種の金属イオンの配列は対称性により分類できる。そのため、実現しうる空間構造の多様性を網羅的に理解できる。触媒活性を示す金属イオ ンをMOPに複数種混合することで多様な金属イオン配置をもつMOP群を創出し、高活性な触媒探索を行う。特に海外連携研究として、京大、関学大、リヨン大、オックスフォード大の4機関が主な研究を分担し、必要に応じて世界中の他の機関と連携して研究を行う。 初年度である2023年度は、課題A「異種金属MOP群及び MOP 集合体の合成」を中心に研究を行った。それにより、ロジウム、ルテニウム、銅を混合した新しいMOPの合成に成功した。また、研究を進める上での研究環境を確立させること、及び国際連携のネットワークづくりを集中して行った。研究に必要な専用のガス吸着測定装置及び前処理装置を京大に導入した。さらに、MOFを用いた触媒研究において世界第一線の研究者が集まっている、国立台湾大学化学工学科を訪問し、多くの教授たちと議論を行った。本研究で推進する複数金属種を持ったMOPを用いた新しい固体触媒の可能性について議論し、リヨン大学も含めた国際ネットワークの構築について前向きな回答を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
異種金属を含むMOPの合成に成功した。また、研究環境整備も当初の予定通りに行った。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、積極的な海外派遣により国際共同研究を進める。
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Causes of Carryover |
初年度の物品費、特に消耗品費が予定より少なかったため。次年度以降に使用する。
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Research Products
(3 results)