2023 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of the early evolutionary process of the unique defensive organs of snakes that utilized sequestered toxins from prey: Possible diversification in ancestral species
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23KK0129
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森 哲 京都大学, 理学研究科, 教授 (80271005)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江頭 幸士郎 北九州市立自然史・歴史博物館, 自然史課, 学芸員 (10738826)
森 直樹 京都大学, 農学研究科, 教授 (30293913)
酒井 理 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 特別研究員 (50984837)
城野 哲平 京都大学, 理学研究科, 准教授 (70711951)
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Project Period (FY) |
2023-09-08 – 2027-03-31
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Keywords | 防御器官 / 頸腺 / 爬虫類 / 進化 / インドネシア |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者の森と分担者の城野と酒井が3月に10日間ジャワ島のボゴール動物学博物館を訪問し、共同研究者のシャフィトリ・アニータ博士とこれからの研究計画の具体的な遂行方法について協議した。また、バンテン地域に赴いて、アカクビヤマカガシの採集を試みた。フィールドでの捕獲数は少なかったが、現地協力者があらかじめ捕獲しておいた個体も合わせて、11個体を得ることができた。これらを用いて、ボゴール動物学博物館にて頸腺からの毒液の噴出実験を行った。さらに、個性を評価するための実験デザインとプロトコールの確定に向けての予備的実験も実施した。この際には、既に博物館で飼育していたシロハラヤマカガシも用いた。前者の実験では、高確率で毒が噴出することを確認した。また、個性評価の実験手順もおおよそ確立できた。また、上記2種を用いての水環境利用頻度の飼育観察実験の計画立案、および、これらの頸腺の組織切片作成のための打ち合わせを行った。その後、同博物館の親機間である国立研究革新庁のスタッフ等も招いて、分担者の酒井が動物の個性研究に関する講演を行い、現在の動物行動学および進化生物学における個性研究の重要性について紹介した。さらに、アニータ博士と2024年度の計画を協議し、2024年8月にボルネオのクチンで開催される世界爬虫両生類会議で本共同研究に関わる成果の発表を行うこと、その後、キガシラヤマカガシの採集を目的にカリマンタンのフィールド調査を実施することを決定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は半年間の調査期間しかなかったものの、目的種のうち2種をすでに捕獲し、主要な実験に取り組むことができた。今後の研究計画についても十分な協議を行うことができ、2024年度の具体的な実施計画もほぼ確定した。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度はキガシラヤマカガシの採集を主目的として8月にカリマンタンを訪問する。可能であれば、アオクビヤマカガシの採集も試みる。カリマンタンでは、パランカラヤ大学の研究者の協力が得られることを確認済みであり、捕獲したヘビの行動実験および頸腺毒の採取は本大学の教員と学生とともに実施する。特にキガシラヤマカガシにおいては、頸腺の有無および防御行動の個体間変異と、個性との関連性に着目して分析する。2024年度の後半にはスラウェシを訪れ、シロハラヤマカガシの採集と行動実験をさらに追加する。 2025年度はスマトラへの渡航を中心に行ってアオクビヤマカガシを採集し実験する。また、ジャワでのアカクビヤマカガシの採集と実験も行う。2026年度はサンプル数が十分でない種の追加捕獲をするとともに、ニューギニア島西部(東インドネシア)に生息する近縁属の捕獲も試みる。 対象種は上記のヤマカガシ属4種だけでなく、頸腺類似器官の存在が未知の近縁属であるソウカダ属3種およびオーストラリアヒバァ属5種も適宜採集を試みる。 ヤマカガシ属4種において妊娠雌が得られた場合は、飼育下で産卵させ、孵化幼体を用いて、防御ディスプレイ、ヒキガエルへの嗜好性、および頸腺様構造物の大きさや形状を個体ごとに確認し、これらの形質間の相関関係を調べる。また、ヒキガエルを給餌して一定期間育て、その後の防御反応の変化、餌毒の蓄積量、頸腺様構造物の大きさや形状の発達の有無を分析し、それぞれの形質間の関連性を調べる。
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Causes of Carryover |
本年度のインドネシア渡航期間が当初予定よりも若干短くなったこと、および、現地で採集した頸腺毒サンプルを日本に持ち帰るための許可承認が年度内に間に合わなかったため、化学分析を実施することができなかったことが主な理由で余剰金が生じた。 次年度は現地調査の期間をやや長めに行い、また、サンプルの持ち出し許可もまもなく得られることが見込まれるので、本年度分のサンプルも合わせて化学分析する計画である。
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Research Products
(2 results)