2023 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of the role of autophagy in photo-oxygenated amyloid degradation
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23KK0133
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
富田 泰輔 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 教授 (30292957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金井 求 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 教授 (20243264)
堀 由起子 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 准教授 (80610683)
マラフスカ カタジナ・ヨアンナ 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 特別研究員 (90986374) [Withdrawn]
巽 俊文 東京大学, アイソトープ総合センター, 特任助教 (80868232)
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Project Period (FY) |
2023-09-08 – 2027-03-31
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Keywords | 認知症 / アミロイド / オートファジー / 細胞連関 |
Outline of Annual Research Achievements |
タンパク質が異常に凝集してアミロイドを形成し細胞内外に蓄積することが、様々な神経変性疾患共通の発症原因と考えられている。申請者らはこれまで独自に、光エネルギーを用いてアミロイドを酸素化修飾する光酸素化触媒を開発し、「酸素化によるアミロイドの凝集抑制と除去」という基本コンセプトを確立した。本連携研究研究においては、特にHis残基酸素化によるオートファジー機構を介した分解促進という観点から、生体内での酸素化というアミロイド動態制御法のproof of conceptを示すことを研究目的とする。特に酸素化による「分子的変容に対する生体側の応答」という観点から特にオートファジーに着目し研究を遂行する。当該年度においては、スウェーデンの研究グループにおいて樹立されたオートファジー欠損タウ蓄積モデルマウスによってその薬効を検証するための基礎的実験として通常のタウ蓄積モデルマウスを用いてその薬効評価とシングルセルRNAシーケンス解析を行った。その結果、ミクログリアやアストロサイトなどのグリア細胞応答が大きく変化していることが明らかとなった。一方、脳へ直接酸素化タンパクをインジェクションする実験により細胞外タウアミロイドへの影響を検討したところ、酸素化の有無は特に細胞外タウの代謝速度を変化させなかったことから、神経細胞内でのタウ代謝が変化していることが推測された。更 にCSF1R阻害剤を用いたミクログリア欠失実験を行い酸素化の影響を検討したところ、ミクログリア欠失時には神経細胞内タウアミロイドの代謝が変化しなかった。これらの結果は神経細胞内でのオートファジー経路の活性化にミクログリアが関わっていることを示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本、スウェーデンそれぞれのグループで準備を順調に進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの結果より、神経細胞とミクログリアの機能的細胞連関が酸素化による神経細胞内オートファジーの亢進に関わっていることが示唆された。今後スウェーデングループにおいて樹立されているオートファジー欠失マウスを用いて同時に遺伝学的な解析を行うことで更にその相互作用について明らかとなることが期待される。
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