2023 Fiscal Year Research-status Report
Minimally invasive brain network mapping for preserving brain functions and predicting plasticity
Project/Area Number |
23KK0146
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
松本 理器 神戸大学, 医学研究科, 教授 (00378754)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠山 隆司 神戸大学, 医学研究科, 教授 (10379399)
菊池 隆幸 京都大学, 医学研究科, 講師 (40625084)
藤本 陽介 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (70796581)
十河 正弥 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (90704784)
|
Project Period (FY) |
2023-09-08 – 2027-03-31
|
Keywords | 脳機能ネットワークマッピング / 皮質皮質間誘発電位 / 刺激誘発脳電位 / 低侵襲電気刺激 / 脳機能可塑性 |
Outline of Annual Research Achievements |
非侵襲的脳計測技術の進歩から術前に脳機能の「推定」が可能になったものの、脳外科手術では大脳皮質や白質線維の機能「確定」には術中の高頻度電気刺激が用いられる。しかし、皮質・白質の機能は刺激部位、すなわち「点」でしか同定されず、関連領域が有機的に協調し機能する高次脳機能の温存には、機能局在の点を結ぶ配線、すなわち結合様式を含めた「ネットワークマッピング」が重要となる。白質線維の機能マッピングの先駆者である仏チームと共同でデータ計測と計算論的検証を行い、低侵襲の電気的線維追跡を用いた脳機能ネットワークマッピング法を研究開発し、術後のネットワーク構造の変容推定から術後の脳機能可塑性の予測をめざす。令和5年度は、両国間では定期的なweb会議を開催し、夏にパリ・シテ大学病院でワークショップの開催・両国のデータ検討、覚醒下手術の見学による白質刺激の技術習得から、電気刺激効果の計算論的・実験的検証、皮質・白質の低侵襲電気刺激による波形の特徴抽出の研究を推進した。国際学会招待講演(3回)、国際ワークショップ(1回)、国内学会招待講演(2回)で現時点の成果発表を行い、国際共著論文2報を公開した。論文では、1.白質刺激による刺激誘皮質電位(白質・皮質間誘発電位)の波形特徴を明らかにし(Rossel et al. Clin Neurophysiol 2023)、2,白質線維の走行を考慮した刺激法が白質・皮質間誘発電位の効果的な惹起に有用であること(Schlosser-Perrin et al. Brain Stimulation 2023)を報告した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
国際学会招待講演3回、国際共著論文を一流紙に2報公開できた。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究代表者ら、日本の研究チームが、仏モンペリエ大学、Inriaおよびパリシテ大学に直接出向き、本領域で世界有数の研究グループが両者の得意とする領域を融合させ国際共同研究を推進することで、世界標準となる、低侵襲電気刺激による脳機能ネットワークマッピング法の開発と皮質皮質間誘発電位(CCEP)コネクトームライブラリを活用した脳機能可塑性予測への応用を目指す。具体的には、学術的問いの解決のために以下の3つの研究計画を推進する。 項目1. 電気刺激効果の計算論的・実験的検証による低侵襲刺激プロトコルの最適化 項目2. 皮質・白質の低侵襲電気刺激による脳機能ネットワークマッピング法の研究開発 項目3. CCEPコネクトームを参照した「配線」離断後の脳機能可塑性の予測 具体的には、令和6年度は日仏チームで、2024年6月に第2回Workshop on Brain Evoked Potentials in the context of Neurosurgeryをモンペリエで開催し、その後、技術習得、両国の研究データの解析を予定する。
|
Causes of Carryover |
令和5年度第4四半期に計画していたモンペリエ大学での技術習得、データ検討の渡航が、日仏グループ合同で開催する2024年6月の第2回Workshop on Brain Evoked Potentials in the context of Neurosurgeryの時期に延長されたため。
|
Research Products
(14 results)