2023 Fiscal Year Research-status Report
Interdisciplinary research toward the feto-maternal interface environmental strategies with targeted proteomics
Project/Area Number |
23KK0157
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小谷 友美 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院教授 (70359751)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牛田 貴文 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (90805152)
伊吉 祥平 名古屋大学, 高等研究院(医), 特任助教 (90980566)
松尾 聖子 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (40989703) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2023-09-08 – 2027-03-31
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Keywords | 癒着胎盤スペクトラム / ペプチド / 妊娠高血圧腎症 / Feto-Maternal Interface / 微小環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
癒着胎盤の増加が妊娠母体の合併症として重篤であるため問題となっている。前置癒着胎盤は超音波検査により、事前に疑うことが可能となっており、オーバートリアージを許容すれば集学的管理により安全な管理が確立しつつある。一方常位癒着胎盤については、スクリーニング自体が困難であり、分娩後診断と同時に大量出血の管理を強いられることになる。常位癒着胎盤における生殖補助医療の関連を検討し、その中の凍結胚移植後妊娠に多いことを示し、さらに、ホルモン補充周期が、癒着胎盤のリスクが高くなる因子として抽出された。また、人工妊娠中絶既往、頸管長スクリーニング時に前置胎盤疑いの指摘を受けたものの分娩時には常位胎盤となった症例、移植時内膜が8mm未満であった症例、経産婦、多嚢胞性卵巣症候群、妊娠中の絨毛膜下血腫の存在が常位癒着胎盤に関連する因子として同定された。この成果を論文にまとめ投稿した。癒着胎盤スペクトラムおよびPreeclampsia血清についてターゲットプロテオミクス解析を用いて、Feto-Maternal Interfaceの遊離型ペプチダーゼによる生理活性ペプチドの代謝パターンから基質ペプチド特異的に胎児絨毛細胞浸潤の促進・抑制に作用する母体脱落膜由来因子を同定すること、また、PASやPreeclampsiaを発症した妊婦の発症前の血清や脱落膜細胞サンプルについて、ショットガンプロテオミクスを用いて網羅的に分析し、対照となる健康妊婦血清と比較した上で、絨毛浸潤機構に関与する液性因子を、遊離型ペプチダーゼと対象ペプチドを中心に抽出をフライブルグ大学で実施している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
臨床データからFeto-maternal interfaceの差異が癒着胎盤スペクトラムの病態機序に関与しているという仮説を裏付けることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
フライブルグ大学での共同研究のため研究室訪室し、解析をさらに発展させることができないか検討する。
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Causes of Carryover |
現在新たに導入された解析機器での方法の調整をフライブルグ大学で行っている。フライブルグ大学での調整結果を検討し、本解析にすすめるため、滞在費用および解析の費用を一部負担する。ターゲットプロテオミクスを用いて、標的ペプチドの生成・修飾工程を解明する。具体的には脱落膜マクロファージ、NK細胞がFeto-Maternal Interfaceに放出するMMPなどの分泌型プロテアーゼによる、各種サイトカイン、ケモカインのN末端プロセシングの解析を試みる。本課題において、各種シグナル分子のN末端プロセシング産物となりうるペプチドをペプチドプローブライブラリーとして豊富に有する海外共同研究者と協力し、ターゲットプロテオミクスの手法を用いて定量的に蛋白分解シグナリングの解明を試みる。本課題の中核をなすターゲットプロテオミクス等の主な研究活動は、フライブルグ大学を中心に展開する。また過剰浸潤と浸潤不全の病態との関連を探索し、発症予測となるバイオマーカーの確立を目指す。
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