2023 Fiscal Year Research-status Report
卵管オルガノドを駆使した卵巣癌早期発見マーカー、癌予防薬の同定
Project/Area Number |
23KK0159
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
増田 健太 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (30773460)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹田 貴 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (60897106)
辻 浩介 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (70528166)
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Project Period (FY) |
2023-09-08 – 2029-03-31
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Keywords | 卵管オルガノイド / 卵巣癌オルガノイド |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は、研究の解析基盤となる国際的なオルガノイドプラットフォームの構築に注力し、我々の研究室および連携先研究室においては、正常卵管オルガノイド、卵巣癌オルガノイドを複数例樹立した。卵巣癌において肉眼的に卵管を視認できた症例では、卵巣癌オルガノイド、卵管オルガノイドを共に樹立し、卵巣癌オルガノイドを用いて全エクソン解析を行った。特定の検出された遺伝子変異については正常卵管オルガノイドでの変異の有無をターゲットシーケンスで確認した。また正常卵管オルガノイドでは、TP53、BRCA1, PTEN, NF1などの遺伝子編集を順次行い、それぞれの遺伝子およびその機能を考慮し、薬剤添加や培養液組成の調整を行い、変異オルガノイドの選択方法の最適化を行った。また、clonal expansionも併せて行い、卵巣癌発癌モデルオルガノイドの樹立を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
連携先研究室との安定した共同研究体制を構築することができ、研究の解析基盤となる国際的なオルガノイドプラットフォームの構築を行うことができた。 正常卵管オルガノイド、卵巣癌オルガノイドのみならず、発癌モデルオルガノイドの樹立にも着手することができた。 今後、統合的オミックス解析を含む複数の解析を進める体制が構築できたため、順調に進展していると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の解析基盤となる卵管オルガノイドは複数樹立することができ、卵管オルガノイド、卵巣癌オルガノイドの同時樹立やその間を埋めるべく発癌モデルオルガノイドの樹立も進められた。症例のリクルートもさらに進んでおり、引き続き正常卵管オルガノイドのプラットフォームの構築を進めていく。また、発癌モデルオルガノイドの樹立も進んできたため、今後その機能解析としてシングルセル解析を含む統合的オミックス解析を行っていく。発現解析では、特に正常卵管、発癌モデル間で発現に有意差があり、癌でさらに発現上昇が認められる遺伝子に着目し、早期発見マーカー探索を進める。また、正常卵管、発癌モデル、卵巣癌オルガノイドを用いた薬剤スクリーニングを行い、潜在的予防的治療薬の選定を進める予定である。上記から得られた情報は、動物モデルを用いたvalidationも行うことを考慮し、免疫不全マウスを用いた卵巣癌オルガノイドおよび発癌モデルオルガノイドの腫瘍形成能の評価も同時に行なっていく。
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Causes of Carryover |
今年度は基盤となるオルガノイドプラットフォームの作成が中心であったため、解析は次年度に実施することとして予算を調整した。
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[Presentation] Identification of biomarkers associated to poor prognosis in high-grade serous carcinoma using novel mouse models2023
Author(s)
今枝慶蓉,増田健太,永井晋平,田村友宏,杉原英志,山﨑淳太郎,大槻雄士,信末博行,千代田達幸,小林佑介,阪埜浩司,青木大輔,山上 亘,佐谷秀行,永野 修
Organizer
第82回日本癌学会学術総会
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