2023 Fiscal Year Research-status Report
Research for infection immunity against global viral infections with a new bioinformatic approach
Project/Area Number |
23KK0176
|
Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
立川 愛 国立感染症研究所, エイズ研究センター, 室長 (10396880)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 和男 KOTAIバイオテクノロジーズ株式会社, 研究開発, 研究開発部長 (20749246)
木口 悠也 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 特任助教 (40897500)
|
Project Period (FY) |
2023-09-08 – 2027-03-31
|
Keywords | ウイルス感染症 / 感染免疫 / デングウイルス / TCRレパトア |
Outline of Annual Research Achievements |
感染症は、公衆衛生上最も重要な克服すべき課題の一つである。感染症対策として各種ウイルスに対するワクチン開発が進められている。ワクチンは抗体応答とT細胞応答の誘導を目的としており、その有効性を明らかにするためには特異的な抗体とT細胞の適切な評価系が必要であるが、T細胞については十分に測定されておらず、ワクチンの有効性評価は、抗体に依存している場合が多い。本研究では、世界に蔓延するウイルス感染症に対する免疫応答について、バイオインフォマティクスの手法を用いた新たなT細胞応答評価システムのプラットフォームの構築を行う。本研究ではデングウイルス感染症を対象とし、フランスパスツール研究所の海外共同研究者と連携し、パスツール研究所が感染症流行地域に展開する国際ネットワーク拠点において、現地にて感染者検体を収集する。日本側研究グループの有するT細胞解析技術を共有し、TCRレパトア情報を取得、研究分担者の有する解析技術を用いてデングウイルス特異的TCRレパトアデータベースを構築する。 本年度は、海外共同研究者と打ち合わせを行い、パスツールカンボジア拠点で研究を実施することを決定し、コホートデザイン・感染者検体の収集について決定した。デングウイルス特異的T細胞応答が高頻度に検出される感染後2ヶ月で検体を収集する必要があり、来年度のデングウイルス流行期での感染者を対象とすることを計画した。また、T細胞応答解析に関する技術提供を行い、カンボジアパスツール拠点において、現地スタッフによる実験技術の習得を開始し、その指導を行なった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
海外共同研究者(フランスパスツール研究所・パスツールカンボジア拠点)と複数回にわたり対面・webで打ち合わせを実施することで、今後の研究計画の詳細について決定することができた。来年度感染者検体の収集を行うが、それに向けて、必要な実験・解析技術を既に提供・指導を行なっており、現地で実施可能な状態となっている。来年度の流行シーズンでの検体収集に向けて、順調に準備を進められている。
|
Strategy for Future Research Activity |
来年度、カンボジアでのデングウイルス流行期に、現地での検体収集を進め、デングウイルス特異的T細胞の解析を行う。デングウイルス特異的T細胞からTCR遺伝子を増幅し、TCRレパトア情報の収集を開始する。フランスパスツール研究所およびカンボジア拠点双方の研究者を訪問、密に連携を図り、効率よく研究を進める予定である。
|
Causes of Carryover |
海外共同研究機関への渡航を予定していたが、共同研究者が別途来日の用務があり、日本での対面での打ち合わせが可能となった。そのため、検体収集を開始する来年度流行期での渡航に変更したため、差額が生じた。来年度の海外共同研究機関への渡航費用として使用する。
|
Research Products
(2 results)