2023 Fiscal Year Research-status Report
データ駆動・モデル駆動の融合による神経ダイナミクス推定と脳機能制御の精緻化
Project/Area Number |
23KK0184
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
大森 敏明 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (10391898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 広明 神戸大学, 工学研究科, 助教 (10833171)
久保 英夫 北海道大学, 理学研究院, 教授 (50283346)
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Project Period (FY) |
2023-09-08 – 2029-03-31
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Keywords | モデル・データ駆動融合 / モデル駆動型アプローチ / データ駆動型アプローチ / ダイナミクス推定 / ダイナミクス制御 / ハミルトニアン / 正準方程式 / ハミルトン方程式 |
Outline of Annual Research Achievements |
本国際共同研究の初年度目にあたる令和5年度は,モデル駆動型手法とデータ駆動型手法の融合により,神経ダイナミクスの推定を精緻に行うための手法を構築した.神経細胞の時空間ダイナミクスを考慮したモデル駆動型アプローチとマルコフ連鎖モンテカルロ法に基づくデータ駆動型アプローチを融合することにより,神経システムの時空間ダイナミクスを精緻に推定するための手法を構成した.さらに,神経システムの数理モデルを考慮した非線形ダイナミクス制御を実現するアルゴリズムを構築し,入力強度に制約が存在する状況下でも,精緻な推定と制御を同時に実現する手法を構成した.加えて,計測データに基づいて,神経システムが受け取る入力の空間的構造を推定するアルゴリズムを構築した.グラフ構造を考慮した多次元自己回帰モデルを構成することで,入力時空間構造の精緻な推定を実現した.計測時系列データから背後に存在する動的システムの支配方程式を推定するために,ハミルトニアンのスパース表現に基づいた推定アルゴリズムを構成した.ハミルトニアンのスパース表現を導入することで,正準方程式における共通なスパース係数を導入するとともに,エネルギー保存則を考慮した推定アルゴリズムを構成し,時系列データからの動的システムの精緻な推定を実現した.以上の研究成果は,国内外の英文学術雑誌や国際学会論文として公表するとともに,関連研究者からの注目を受け,非線形ダイナミクス研究に関連する国際学会からの受賞を受けた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた,モデル駆動型手法とデータ駆動型手法の融合によるダイナミクス推定に加えて,ダイナミクス制御に関する理論的成果も得られたため.
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Strategy for Future Research Activity |
より複雑な非線形ダイナミクスを有する場合について,モデル駆動とデータ駆動の融合アルゴリズムの構築を進める.
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Causes of Carryover |
参加を予定していた国際学会が当該年度は国内での開催となったため,次年度使用額が生じたが,次年度に国外で開催される国際学会への参加旅費として使用する.
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