2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of Spinal Cord Organoids using Body Axis Formation Platform
Project/Area Number |
23KK0205
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
萩原 将也 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 理研白眉研究チームリーダー (00705056)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂口 秀哉 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 上級研究員 (30779153)
Koh IsabelSiewYin 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 特別研究員 (90868415)
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Project Period (FY) |
2023-09-08 – 2027-03-31
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Keywords | 脊髄オルガノイド / 濃度勾配 / 背腹軸 / 尾頭軸 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに我々が構築した、因子濃度勾配を印加するGradient-in-a-CUBEを改良し、今年度は背腹軸を有する神経管の構築を進めた。まず、ポリカーボネードのデバイスに脊索からのSHHのシグナルを模倣するため、数百ミクロンメートルのスリットを切削で作製し、デバイス上に播種した細胞とともに90度回転して流体チップ内に挿入することによりSHHとBMPの勾配が細胞に暴露できるチップを構築した。さらに、特定形状の穴を持つPDMS膜をフォトリソグラフィーを用いて作製し、これをシャドウマスクとすることで、iPS細胞の播種領域を制御した。播種領域のサイズや幾何形状によっては、管腔構造を形成しないため、様々な幾何形状、大きさのパターンを振って最適な播種パターンを決定した。 本技術を用いて、SAGの勾配をデバイス上に播種し、神経前駆細胞への誘導後のiPS細胞に暴露し7日間が培養を続け、サンプルをデバイスから剥がし、凍結切片後にイメージングを行った結果、管状に成長した組織にPAX6の局在を確認することができた。現在、分化誘導因子の濃度・期間の最適化を背側・腹側それぞれの因子に行っており、より精細な分化パターンの形成に向けて進めている。 現在、海外共同研究者のEileen GentlemanはPEGベースのハイドロゲルにレチノイン酸およびbFGFを結合する手法を開発中であり、機能確認ができ次第上記技術に統合し、背腹軸に加え、尾頭軸形成へと研究を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の最初のステップとなる、背腹軸形成については、最適化はまだ必要であるものの、概ね見通しがついている。尾頭軸形成については、ECM局在による形成方法のほかに、現在新たな局在シグナル制御手法の見通しが付いたため、ECM局在制御がうまく行かなかった場合のバックアッププランも同時並行で進められる。
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Strategy for Future Research Activity |
背腹軸の培養条件最適化は引き続き継続する。同時に、脊髄オルガノイドに尾頭軸の局在を持たせるため、細胞下に配置したECMに分化誘導因子を結合したものの空間的局在を持たせ、細胞に対し空間情報を与える。分化誘導因子の結合度、活性および因子濃度の最適化を進めていく。また、液性因子濃度勾配による尾頭軸形成も同時並行で進め、各々条件の最適化を進める。
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Causes of Carryover |
共同研究相手先のEileen Gentlemanが申請時当初は英国のKing's College Londonであったが、2023年度中にスイスのEPLFへと異動となった。国をまたぐ異動となり、スタッフ・学生ともに過渡期であったことから、2023年度中に相手先ラボで実験を行うことが困難となったため、2023年度中に計画していた共同実験を、2024年度初旬に変更することとなった。
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